
<楽天スーパーレディース 事前情報◇25日◇東急グランドオークゴルフクラブ(兵庫県)◇6636ヤード・パー72>
岩井明愛は今大会がプロ入り後、50試合目のレギュラーツアー出場。そして、これまでの49試合で2度しかなかった妹・千怜がいないトーナメントとなる。今週、千怜は海外メジャー「エビアン選手権」に出場。わずかの差でメジャー切符を逃した明愛は「ちょっとなんか寂しいですね(笑)」。今週はツインズとしてではなく、一人で岩井旋風を巻き起こす。
「いつもは練習場で会った時や試合が終わった後にちょっかい出すんですけど、今週はそれがないので…」。そんな言葉が出るのも無理はない。千怜がいない大会はプロテストに合格した2021年の「日本女子オープン」、「大王製紙エリエールレディス」だけ。一方、千怜だけが出場した試合も昨季の最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ」など4試合しかない。これも2人が同じようなペースでキャリアを歩んできた証拠。今回も“別行動”は1試合だけで、2週後には海外メジャー「AIG女子オープン」(全英)に揃って出場する。
明愛もエビアン出場はあと一歩だった。「全米女子オープン」(7月6~9日)後の世界ランク50位以内が出場資格だったが、初メジャーで予選落ちを喫し、大会前の50位から53位にランクダウン。現在は48位と“圏内”に復帰しており「今すぐ飛んでっちゃいたい(笑)」と冗談で悔しさを包み込んだ。
とはいえ、すでに気持ちは完全に今大会に向いている。千怜だけでなく、山下美夢有ら上位陣の不在について聞かれると「自分のために頑張っているので、誰がいないとかいうことは全く考えていませんでした」。全英女子に向けての対策も現時点では特にしておらず「優勝するには20アンダーはいきたいですね」と先週に続いてのバーディ合戦に向けて意気込んだ。
国内ツアーに限ると、直近4試合は2位、2位3位、4位とすべて4位以内の好成績。「ドローやフェードの球筋やボールの高さなど、状況に応じて自分のイメージした通りに打てることが増えてきました」と調子の良さ、レベルアップを実感している。来週は欠場して、早めに渡英するが「出られる試合があるのに出ないのはもったいないので、休むということは考えていません。休むとしたら練習ラウンドを休むという形になるのかなと思います」。どん欲に2勝目を追い求める明愛が今週も優勝争いの中心になりそうだ。(文・田中宏治)