
<大東建託・いい部屋ネットレディス 事前情報◇19日◇ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(福岡県)◇6540 ヤード・パー72>
国内女子ツアーは1週間のオープンウイークを挟んで、シーズン後半戦がスタート。海外メジャー「全米女子オープン」に参戦した選手たちも、帰国後にゆっくり休み時間がとれた様子だ。
今季2勝を挙げ日本女子ツアーを代表する顔となった岩井千怜は、初の海外メジャー挑戦で、トータル10オーバーの48位タイで4日間を終えた。「途中からうまくいかなくなって、もうちょっと冷静になれれば…」と悔しさをにじませたが、しっかり爪痕は残してきたことを今大会プロアマ戦終了後の取材で話した。
「あっちでも直ドラは通用する。最終日に2番ホールでやりました。ピンまで残り260ヤードくらい、エッジまでは230ヤードちょっと。エッジから少し行ったくらいにキャッチして、15ヤードほどランして止まりました。イーグルでした」
ペブルビーチゴルフリンクスのグリーンは止まりやすかったとは言うが、リスクも隣り合わせのチャレンジだった。
「魅せたいというのもありましたし、自分のプレーで海外のギャラリーを興奮させたかった。大きな歓声が上がり、うれしかったです。すごい鮮明に覚えています」
この経験によって海外でプレーしたい気持ちが、「より一層強くなった」ともいう。本格的な参戦はまだ先のことになりそうだが、今大会終了後には、「アムンディ・エビアン選手権」、「AIG女子オープン」に出場するため渡欧する予定だ。
全米の舞台でも繰り出した直ドラは、もともとは双子の姉・明愛がよくトライするショットだった。千怜は「RKB✕三井松島レディース」で姉と、女王・山下美夢有との3人のプレーオフに突入したときにチャレンジして、見事プレーオフを制したのだった。もともとは無理をしないマネジメントをする千怜が、行くときは行くとばかりに挑む姿勢を見せて優勝を勝ち獲った瞬間だった。
今大会のパー5は、6番550ヤード、9番520ヤード、10番500ヤード、17番480ヤード。千怜の飛距離からすれば、直ドラを見せる機会はあるはずだ。目標は「年間5勝。残りは3勝、行けるところまで行きます」と、力強く言う。世界をも沸かせた直ドラで、優勝をたぐり寄せることができるか。興味は尽きない。(文・河合昌浩)