ゴルフクラブは中古で事足りる時代 あえて新品を買う必要はないのか?

昭和の時代。ゴルフクラブの中古販売というビジネスはありませんでした。クラブを新しくしたときに、古いクラブは後輩に譲るのが定番だったからです。先輩に譲ってもらった中古クラブでゴルフの腕を磨き、一人前の証として自分のクラブを購入するという流れが、昭和のゴルファーの通り道だったのです。

中古クラブショップのチェーン店が出現し、店舗を増やしていくのは平成に入ってしばらくしてからで、市民権を得たと認識されたのは、21世紀になってからです。現在でも、先輩や身内からクラブを譲り受けてゴルフを始めるというパターンもありますが、中古クラブショップで、自らが購入してスタートというパターンのほうが圧倒的多数になっています。

最近知ったのですが、「生まれてから一度も新品のクラブを買ったことがない。すべて中古クラブショップで購入している」という中高年のゴルファーが、けっこうな割合で存在するという事実です。

新品クラブの購入に対して高い壁があるのは、若いゴルファーだけに限ってのこと、と思っていたのでかなりのショックを受けましたが、手軽な金額でクラブを入手できる方法として、中古クラブ市場の利用価値が高いという証明のひとつといえるでしょう。

そこで、「新品のクラブの優位性は、何ですか?」と質問されます。

ひとつ目は、見栄を満たすプラスです。最新のクラブをいち早く使っているというプライドは、特別で、新品以外では味わえません。それを上手く打てなければ、プライドの高さがある分、落ちるショックも大きいですが、上手く打てれば麻薬的な達成感があります。

ふたつ目は、心とか、魂的な要素です。真面目に書いています。個人的に、ゴルフ用具には心や魂が宿ると信じています。中古クラブには、怨念が憑いていたり、ひねくれて意思が伝わらなかったり、と感じることがあるのです。

逆に、トッププレーヤーが使用していたクラブを譲ってもらうと、スペック的には打てるはずなのに、まったく歯が立たないことがあります。これも、魂のレベルが合わないという説明ができます。

三つ目は、旬の今を楽しむという要素。次々に新製品が出ます。外国のブランドでは、毎年ニューモデルが出るケースもあります。初物が美味しいとは限らないのは承知の上、旬の初物は特別。せっかくならば、スペシャルな用具でゴルフをしたいと考えるのは人情ではないでしょうか。

誰の手垢もついていない自分だけのクラブは、新品だからこそのもの。

リーズナブルな金額で購入できる中古クラブを否定はしませんし、時代にマッチした素晴らしいシステムだと思いますが、少し無理をしてでも、新品のクラブを試してみていただきたい。生涯で、一度も新品のクラブを使わないまま終えるのは、もったいないと思うのは私だけでしょうか。

(取材/文・篠原嗣典)

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