
ポルトガル代表における“ゴールデンエイジ”の象徴でもあり、現在はベンフィカの会長職に就くマヌエル・ルイ・コスタ氏が、アトレティコ・マドリードに所属する同国代表FWジョアン・フェリックスについて言及した。スペイン紙『アス』が伝えている。
1999年11月10日生まれのJ・フェリックスは現在23歳。2019年夏に移籍金1億2600万ユーロ(当時レートで約135億円)で、アトレティコ・マドリードに加入した。当初は“未来のバロンドーラー”との呼び声通りの輝きを放ったが、ディエゴ・シメオネ監督のスタイルに適応できずに、徐々に翳りが見え始める。今夏には、出場機会を求めてレンタル移籍したチェルシーから復帰したものの、新シーズンに向けたチーム練習から外されるなど、すでに構想外の扱いを受けており、クラブ退団は決定的との見方が強いようだ。
アトレティコ・マドリードで冷遇を受けるJ・フェリックスに対しては、“古巣”のベンフィカやパリ・サンジェルマン(PSG)が獲得を検討しているとのことだが、具体的なオファー提示には至っていない。そんな中で、ベンフィカのルイ・コスタ会長は「ベンフィカでジョアン・フェリックスを見たくない人はいるのだろうか? いや、ベンフィカだけでなく、他のどこでもだ」と問いかけつつ、「彼は素晴らしい選手であり、素晴らしい人間。そして、我々と一緒に育った少年なんだ。ジョアン・フェリックスを嫌う人はいないだろう。でもね、今はアトレティコの選手だから、我々にできることは、彼が『世界最高峰で在り続けて』と願うことぐらい。これまでの功績、また人間としても、それに値する。ジョアン・フェリックスは最高の選手だ」と改めてトップレベルの選手であることを強調した。
一方で、同選手の復帰報道については「彼を欲しいと言ったのは我々ではない。並外れた選手だけど、アトレティコの選手なんだ」と一蹴。それでも「ジョアン・フェリックスのポテンシャルは誰もが知っている。もし彼が来たがっていて、我々を助ける気持ちがあるなら、いつでも歓迎されるだろう」と扉は開かれていることを明かしている。
ルイ・コスタ氏と同様に、若くして注目を集めたJ・フェリックスがキャリアの分岐点に立たされている。果たして今夏、同選手はどのような決断を下すのだろうか。