
<ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ 最終日◇9日◇真駒内カントリークラブ 空沼コース(北海道)◇6420ヤード・パー72>
自己ベストあり、自己ワーストあり…。波乱万丈の4日間を過ごした平岡瑠依は、トータル2アンダーの13位タイと上位でフィニッシュした。初日から「72」、「72」、「71」、「71」とスコアだけを見れば、安定感抜群のプレーをしたはずのルーキーに何があったのか? その中身を振り返ってみよう。
まずは本人が胸を張る自己ベストから。 3日目の後半で記録したハーフ8パットだ。「9パットの経験はあるんですけど、8パットなんて初めてです。たぶん一生更新できないと思います」。チップインバーディーが1つ、1パットのバーディーが3つ、寄せワンのパーが5つという内容。ホールアウト後は「もっと誰かに褒めてほしいんだけどなあ」と、スコアカード片手にクラブハウス周辺をウロウロしていた。
ちなみにツアー記録はハーフ6パットで、2017年「ワールドレディスサロンパスカップ」2日目に金田久美子がマーク。7パットも3回記録されており、平岡と同じ8パットは今季だけですでに3度達成されている。この事実を伝えると「6パットってどうやるんですか? いいんですよ、私にとっては新記録なんですから」。後半これだけの快進撃を見せながら、3日目のスコアが「71」に止まったのは、前半に2度の3パットがあったからだということを付け加えておく。
一方の自己ワーストは激しい雨と風に見舞われた初日だった。この日はティショットでフェアウェイを1度しかとらえられなかった。フェアウェイキープ率にすると7.14%。今季のトータルは60.52%(ツアー63位)だ。それだけティショットに苦しんでも「フェアウェイ1回でイーブンパーって結構すごくないですか?」と前向きなのがいいところ。2日目は5回、決勝ラウンドに入っても3回、5回とティショットの精度が大幅に改善することはなかったが、それでもスコアをまとめられるのは難しい洋芝のラフへの対応に長けているのだろう。
最終日はどんな記録を出して帰ってくるのか。ホールアウトを待っていると、ニコニコで「きょうはイーグルがありました」。ルーキーの平岡にとっては出場19試合目、55ラウンド目でマークしたプロ初イーグルだ。6番パー5、残り95ヤードから52度のウェッジで放った3打目がバックスピンで戻ってカップに消えたのだという。「その前に2、3番で連続ボギーがあったんですけど、あのイーグルで流れが良くなって、おかげで8番でバーディーが取れました」と前後のプレーまで一気に振り返った。
惜しくも今季4度目のトップ10入りは逃したが、直近5試合で予選落ち2回、54位が最高だったことを思えば、後半戦に期待を抱かせるひさびさの好成績。学年でいえば、稲見萌寧や菅沼菜々と同世代の22歳は「年下の選手がどんどん優勝しているので、『私も』と思うけど、早いうちにシードを決めるのが今の目標です」。メルセデスランキングは大会前の39位から36位へとわずかに浮上。シード当確に向けて、もうひと踏ん張り必要だ。(文・田中宏治)