
<全米女子オープン 事前情報◇5日◇ペブルビーチGL(米カリフォルニア州)◇6509ヤード・パー72>
アマチュア世界一に輝いた18歳が、その肩書を背負って世界最高峰の舞台に挑む。昨年の「全米女子アマ」を日本勢として37年ぶりに制した馬場咲希(代々木高3年)が、1年ぶりに「全米女子オープン」に戻ってきた。
昨年は日本の最終予選会を突破しての出場。そのときは、現在のように名前が広く知られていたわけではなかったが、本戦が始まると2014年の橋本千里以来8年ぶりとなる日本勢アマチュアでの予選突破。それによって全米女子アマの出場権を獲得し、ここから“シンデレラストーリー”が始まった。
「去年は、特にこの試合から始まった。それで今年は去年とはちょっと違う感じでこの試合に来て、不思議な感じがします。去年とは違うな、と」。飛躍のきっかけにもなった一戦だが、これまでと肩書が変われば、雰囲気も違ってみえる。
月曜日、火曜日はスポンサー契約を結ぶ“チームサントリー”の渋野日向子と練習ラウンドをともにし、開幕前日には昨年覇者のミンジー・リー(オーストラリア)、海外メジャー「シェブロン選手権」覇者のジェニファー・カプチョ(米国)と回った。「パー5で結構攻めていた。あとラフの打ち方がめちゃくちゃうまい。慣れているのかな」と、日本にはない密集するラフの対策法を見て、試して、学んだ。
予選ラウンドは昨年の全米女子アマ覇者、全米女子オープン覇者、全英覇者という“大会恒例”の組み合わせ。ミンジーとアシュレー・ブハイ(南アフリカ)と2日間をプレーする。「なんか噂にはちょっと聞いてたんですけど、自分のことじゃないみたい」と、大会を主催する全米ゴルフ協会(USGA)が“注目組”としてフィーチャーすることに戸惑いながらも、当然、胸は高鳴る。
また、こんな“変化”も。「大会に臨む気持ちはちょこっと変わった。去年も今年もめちゃ楽しみで『やった~!』っていう気持ちが大きいですけど、去年よりは結果に対する気持ちが変わりました」。アマチュアチャンピオンとして臨む一戦で、成績を残したいという思いも強く芽生えている。
世界に名をとどろかせるきっかけのひとつにもなった今大会。またしても、歴史の一ページを刻んでみせる。(文・笠井あかり)