
<資生堂 レディスオープン 初日◇29日◇戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)◇6605ヤード・パー72>
今季開幕時のQTランクは66位、先週から適用されている第1回リランキングも65位。継続的なレギュラーツアー参戦には厳しい立場に置かれ、この大会もウェイティングから出場を果たした宮田成華が、5アンダーで2020年の「スタンレーレディス」以来となる自身2度目の首位発進を決めた。
レギュラーツアーはこの大会前までで5試合に出場。最終日まで上位争いをすることは叶っていないが、先週の「アース・モンダミンカップ」は予選ラウンド2日間を8位でプレーした。8試合に出場する下部のステップ・アップ・ツアーでも、優勝こそないがトップ10入りが4試合。その確率50%と、ここまでいい状態で過ごせている。その要因については「今年は開幕からショットの調子が割といいし、それをキープできている」という部分に求めている。
レギュラー35試合に出場した2020-21年シーズンに、ドライビングディスタンスで245.5ヤード(13位)を記録するなど飛ばし屋として知られる。それが今年はさらにパワーアップ。まだ分母こそ小さいが、今季はレギュラーで255.11ヤードを記録している。これは現在ツアー5位に相当する数字だ。本人も「去年より平均10ヤードは伸びたと思っています」と胸を張るが、その言葉通りの結果が出ている。
昨年末から、アマチュアの馬場咲希(代々木高3年)らを指導する坂詰和久コーチに師事する。宮田にとっては中学・高校と6年間ゴルフを教わってきた人物で、「すごくショットに悩んでいたので原点に戻ろう」と再び門を叩いた。上体が強くなり手打ちになっていた部分を指摘され、今は体で打つことを意識してスイング作りを行う。そしてこれが「飛距離も戻ってきたし、方向性も安定するようになった」と実っている。ボールスピードアップなどデータ的な裏打ちもあり、武器を取り戻したという自信がプレーにもあらわれている。
19年のプロテスト合格組だが、ツアーに本格参戦したのは17年。今年7年目を迎える。11月には26歳を迎える自分のことを「そろそろ中堅」と表現する。黄金世代の1学年上の世代で、「少なからず焦りは感じています」というのも本音。そんな思いを払拭するチャンスをつかもうとしている。「積極的にピンを狙っていけた」と攻撃的な姿勢も崩さない。それは前半15番パー4でショットインイーグルという形としてもあらわれた。初優勝については、まだ「あまり意識はしていない」と話すが、それをしっかりと争える位置で残り3日間も戦いたい。