
<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 2日目◇23日◇バルタスロールGC ローワーC(米ニュージャージー州)◇6621ヤード・パー71>
雨が降りしきるなかのラウンドとなった第2ラウンドで、西村優菜が好プレーを見せた。難コースに加え天候も悪いなか1つ伸ばし、トータル2オーバー・29位タイに浮上した。
1番スタートで序盤は苦戦した。1番、2番で連続ボギー。4番で1つ取り戻したが、6番でまたもボギーが来てしまう。決勝ラウンドを目指す戦いに暗雲が立ちこめた。そんな流れを変えたのが、7番でバーディを奪って迎えた8番パー4だった。残り122ヤードの2打目を9番アイアンで放つと、カップの5ヤード手前に着弾したボールは1バウンドしピンに直撃。そのまま真下に落ちてイーグルとなり、一気に息を吹き返した。
「神様はまだ味方してくれるんだ(笑)」。そう言って、思わず笑みがこぼれる。4月の今季メジャー初戦「シェブロン選手権」でも順延となっていた第2ラウンド再開後に、残り179ヤードを直接入れるショット・イン・イーグルを決めていた。劣勢からの予選突破。大舞台で2度もイーグルに救われた。
後半はチャンスにつく場面が少ないなか、ロングパットをしっかり寄せてパーを拾っていく。14番パー4では、ティショットがバンカーにつかまり前方のアゴ付近だったためレイアップ。73ヤードの3打目は5メートルショートしたが、次の一打を沈めた。しっかりとセーブを続けながら進んだバックナインはオールパーに終わったが、「カットラインを気にしながらのパープレーは自信にもなる」とメジャー大会の予選突破に胸をなで下ろす。
これにより米ツアーで、自身開幕戦となった「LPGAドライブオン選手権」を除き、9戦連続で決勝ラウンド行きを決めた。上を見て戦う残り2日間。寒さ、風、雨と難コースがさらに厳しさを増す予報が出ており、ガマン大会の様相になる。「少しでも伸ばせば順位が上がっていく。しっかり頭を使って諦めることなくプレーしたい」。ムービングデーは神様に恩返しするよう、攻める。(文・高桑均)