
<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 初日◇22日◇バルタスロールGC ローワーC(米ニュージャージー州)◇6621ヤード・パー71>
「イメージが出ない」。渋野日向子のメジャー2戦目はバーディなしの7ボギー。7オーバーと大きく出遅れた。長い1番パー4からスタートし、ここではパーをセーブしたが、「精度が本当によくない」と2番、3番ではティショットがラフにつかまり連続ボギー。9番もボギーを喫すると、後半に入ってからはパッティングにも影響が出た。
12番からは3パット3回を含む4連続ボギー。ラウンド合計のパット数は「36」とスコアメイクは叶わず。最終ホールの18番パー5では2オンするも3パットのパー。「どう当てていいかわからない」というショットの不安がグリーン上にも影響し、5回の3パットでトータル的に技術面の不足を感じる長い1日となった。
「何を考えてやっているのかわからない。」というほど、調子が上がらない。3週前から取り入れた10フィンガーグリップも、「最初は新鮮だったから前向きに捉えることができたけど、やっていくうちに難しさを感じる」と、ただでさえ難解なメジャーのコースセッティングでは、導入直後の状態では通用しない。「やることが多すぎる」と、肩を落とすしかない。
昨年も予選落ちが続く時期があったが、「あれは気持ちの問題だった。いまは技術面が…。いままでも下手だったけど、もっと下手になっている。練習してもしっくりくるスイングというのが…。絶賛迷い中です」と何をやってもうまくいかないラウンドが、渋野の気持ちを削っていった。
前日は3時間の特打を行ったが、「無駄な練習」とするどい言葉で自分を攻める。「やることが多いんですけど、多いと言ってもどうやっていいかわからない」。沈んだ表情には落胆しかない。「冷静に考えます」と声を振り絞る。難易度がマックスのメジャー大会。ここから挽回すれば、一気に自信を得ることにもなる。厳しい状況ではあるが、2日目にはなにかきっかけをつかんで、次へつなげたい。(文・高桑均)