ユヴェントス、ディ・マリア退団を正式発表…イタリアでの冒険は1年で幕、古巣ベンフィカ加入へ

 ユヴェントスは22日、2022-23シーズン限りでアルゼンチン代表FWアンヘル・ディ・マリアが退団することを正式発表した。

 6日にはディ・マリアが自身のSNSを通してクラブへ別れの言葉を綴っていたが、今回はユヴェントス側より改めてディ・マリアの退団が伝えられた。現行契約が6月末で満了となるディ・マリアについて、ユヴェントスは契約延長の可能性を模索しており、一時は残留を検討していることが報じられていた。しかし、最終的に契約延長に至ることはなく、2022-23シーズン限りでの退団が決定。アルゼンチン屈指のテクニシャンは、わずか1シーズンでビアンコネーロ(イタリア語で白と黒)のユニフォームを脱ぐことが決まった。

 現在35歳のディ・マリアは母国クラブのロサリオ・セントラルでキャリアをスタートさせた。2007年夏にベンフィカへの完全移籍加入でヨーロッパ上陸を果たすと、2010年夏にはレアル・マドリードに完全移籍。在籍した約4シーズンで公式戦通算190試合の出場で36ゴール84アシストを記録した。レアル・マドリードでは2011-12シーズンのラ・リーガや2010-11シーズンと2013-14シーズンのコパ・デル・レイ(スペイン国王杯)優勝に加え、2013-14シーズンにはチャンピオンズリーグ優勝も経験している。

 2014年夏には当時のプレミアリーグ史上最高額だった5970万ポンド(当時のレートで約103億円)の移籍金でマンチェスター・Uへ完全移籍。クラブ伝統の背番号「7」を託され、1シーズンで公式戦32試合に出場したが、4ゴール12アシストと期待されていたような活躍はできなかった。2015年夏にはパリ・サンジェルマン(PSG)に完全移籍で加入。7シーズンにわたって在籍したPSGでは、公式戦通算295試合の出場で93ゴール119アシストという成績を残し、6度のリーグ・アン制覇など数々の国内タイトル獲得に貢献した。

 PSG退団が決まっていた2022年夏、ユヴェントスにフリートランスファーで加入し、1年間の契約を締結した。2022-23シーズンのセリエA開幕直後は負傷や出場停止処分の影響もあって出場機会を伸ばせなかったが、徐々に存在感を示し、最終的には公式戦通算40試合の出場で8ゴール7アシストを記録。ヨーロッパリーグ(EL)準決勝進出にも大きく貢献した。なお、ユヴェントス在籍期間内に行われたFIFAワールドカップカタール2022では、決勝のフランス代表戦でゴールを決めるなど、アルゼンチン代表を9大会ぶり3度目の優勝へ導いた。

 同シーズンのユヴェントスはセリエAで22勝6分10敗の成績を収めたものの、過去の財務違反の影響で勝ち点「10」をはく奪され、最終的には勝ち点「62」の7位でフィニッシュ。来季のチャンピオンズリーグ(CL)、ELの出場権を逃し、ヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)に参戦することが決まっていた。

 なお、ディ・マリアの新天地についてはベンフィカが濃厚だと報じられている。“盟友”のアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが加入したインテル・マイアミ、母国の古巣であるロサリオ・セントラル、さらにはサウジアラビアの複数クラブからの関心も報じられていたが、来年夏のコパ・アメリカを見据えてヨーロッパの高いレベルでのキャリア続行を希望。スペインメディア『アス』によると、2024年6月末までの1年契約締結に近付いているという。移籍が決まれば、ディ・マリアにとっては2010年夏の退団以来、実に13年ぶりのベンフィカ復帰となる。

【動画】ユヴェントスがディ・マリアに別れ

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