
<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 事前情報◇19日◇バルタスロールGC ローワーC(米ニュージャージー州)◇6621ヤード・パー71>
女子プロゴルファー世界一決定戦ともいえる一戦が、米ニュージャージー州のバルタスロールGCで現地時間22日(木)に開幕する。「全米オープン」や「全米女子オープン」など数々のビッグトーナメントを開催してきたコースで「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」が開かれるのは初となる。
全米プロゴルフ協会(PGA)が2015年から主催に入るようになってから、本大会は米国を代表する超名門コースで開催されてきた。この流れは、選手たちも大歓迎。今回の舞台となるバルタスロールGCは1895年に設立。いまでも厳格なドレスコードが設けられ、ゲストがプレーすることはなかなかできない。
昨年は首都ワシントンD.C.近郊にあるコングレッショナルCC、21年はジョージア州のアスレチックC、20年はペンシルベニア州のアロニミンクGCと、米国を代表するコースが舞台。PGAが管轄する「全米プロ」や「ライダーカップ」で使用するコースが女子にも開放され、女子ゴルフの技術向上はもとより、地位向上にも寄与している。
そんな戦いは毎年、熱戦が展開されてきた。1977年には日本人としてはじめて樋口久子がメジャー制覇を成し遂げた。岡本綾子やそうそうたるメンバーが日本から参戦。好成績を残してきた歴史がある。
記憶に新しいところでは、18年大会。畑岡奈紗が惜しくも2位タイに終わった大会だ。米ツアー初優勝の翌週、初日を10位タイ、2日目を終えて8位タイで決勝ラウンドに進むんだが、3日目はスコアを落とし首位と9打差の23位タイに後退。ところが最終日が圧巻だった。前日のうっぷんを晴らすゴルフで2イーグル・5バーディ・1ボギーの「64」をマーク。追いつきプレーオフにもつれ込んだ。
最終組より1時間も前にホールアウトし戦況を見守ったが、パク・ソンヒョン、ユ・ソヨン(ともに韓国)との三つ巴の戦いに。惜しくも敗れはしたが、メジャー最高位を記録した。
21年大会では渋野日向子がアクシデントに見舞われた。コロナ禍のなか、3日目を前にキャディに陽性反応が出たため、急きょ地元のキャディとのタッグを組んだ決勝ラウンド。その3日目にはパー3で4度の池ポチャで「10」を叩くなど苦しんだ。ホールアウト後は涙を流したが、最終日は持ち直し「67」のラウンド。大会を40位タイで終えた。
ドラマの宝庫、全米女子プロ。今年はどんな結末が待っているのか。
【過去10年間の記録】
■2022年
優勝:チョン・インジ(韓国)
日本勢の成績:
畑岡奈紗 5位
笹生優花、西郷真央 30位
古江彩佳 予選落ち
渋野日向子 棄権
■2021年
優勝:ネリー・コルダ(米国)
日本勢の成績:
笹生優花 21位
渋野日向子 40位
畑岡奈紗、上原彩子 予選落ち
■2020年
優勝:キム・セヨン(韓国)
日本勢の成績
畑岡奈紗 3位
河本結 48位
渋野日向子 58位
野村敏京 73位
■2019年
優勝:ハナ・グリーン(オーストラリア)
日本勢の成績:
畑岡奈紗 14位
横峯さくら 60位
山口すず夏、上原彩子 予選落ち
野村敏京 棄権
■2018年
優勝:パク・ソンヒョン(韓国)
日本勢の成績:
畑岡奈紗 2位
上原彩子 60位
横峯さくら 66位
野村敏京 予選落ち
■2017年
優勝:ダニエル・カン(米国)
日本勢の成績:
宮里藍、野村敏京 36位
上原彩子、横峯さくら、畑岡奈紗 予選落ち
■2016年
優勝:ブルック・ヘンダーソン(カナダ)
日本勢の成績:
宮里藍 39位
宮里美香 50位
野村敏京 63位
上原彩子、横峯さくら 予選落ち
■2015年
優勝:インビー・パーク(韓国)
日本勢の成績:
横峯さくら 13位
宮里美香 41位
野村敏京 53位
上原彩子 予選落ち
■2014年
優勝:インビー・パーク(韓国)
日本勢の成績:
野村敏京 48位
上原彩子 53位
有村智恵 69位
宮里藍、宮里美香 予選落ち
■2013年
優勝:インビー・パーク(韓国)
日本勢の成績:
宮里藍 15位
宮里美香 22位
有村智恵 33位
上原彩子 44位
上田桃子、片平光紀 予選落ち