プロアマ大会は障害者ゴルファーを招待 ハンディキャップを感じさせない腕前は倉本昌弘も太鼓判

<ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント 事前情報◇7日◇麻生飯塚ゴルフ倶楽部(福岡県)◇6809ヤード・パー72>

「ASO飯塚チャレンジドゴルフ」が、いよいよあす8日(木)から麻生飯塚ゴルフ倶楽部(福岡県)で開催される。前日のこの日はプロアマ大会と、地元の小中学校7校に通う特別支援学級の生徒たち104名を招いてのスナッグゴルフ大会が『ASO飯塚チャレンジドゴルフフェスタ』として行われた。
プロアマ大会は、通常のトーナメントとはひと味違っている。通常は主催者が企業関係者を招待してプロたちとのラウンドを楽しむことが多い。だが今大会は招待された障害者ゴルファーふたりが、プロとラウンドする3人1組のチャレンジドプロアマとして行われた。参加したのは障害者ゴルフ世界ランキング日本選手上位者をはじめ、パラリンピックの陸上やスノーボードの選手などの障害者トップアスリートたちだ。
大会を主催する麻生グループは1985年に第1回大会が開催された「飯塚国際車いすテニス大会」の旗振りを麻生セメント麻生泰社長(現・特定営利活動法人九州車いすテニス協会理事長)が積極的に行うなど、障害者スポーツに対して一般社会の認知が低い時代から支援し続けている。また、麻生グループでは障害者スポーツ選手のおかれた練習環境や労働環境上の課題を解決するために、シーズアスリート(C’s Athlete)という障害者スポーツ選手雇用センターを設立している。シーズアスリートのシーズ(C’s)のCはチャレンジ(Challenge)のCであるという。 そして今大会の大会名にある「チャレンジド」は障害者を指し、挑戦する人という意味を込めてつけられたという。そんな背景もあり、今大会も昨年に引き続き、障害者ゴルファー参加のプロアマ大会が開催された。 倉本昌弘と同組で回った小山田雅人さん(以下敬称略)は右前腕を切断しているが、PGAティーチングプロの資格を持ち、障害者ゴルフ世界ランキングでは日本人選手2位でハンディキャップはゼロだという。 「きょうは一緒に回ってよかったです。ぜんぜん普通に回っていたし、両腕があったってヘタな人はいる。よっぽどいいですよ」と小山田さんの腕前に倉本は太鼓判を押す。 「きょうはピンポジションが難しかったですが、それが楽しかったです。倉本プロとは2度目のラウンドでした。1度目はテレビで私のドキュメント番組を撮っていたときに、ご一緒させていただきました。倉本プロは私が目指している高い球を打っていて、ああいうボールが打ちたいと思い、いろいろお聞きしながらのラウンドでした」と、小山田。 ところで小山田は極端なオープンスタンスで構えてボールを打っているのだが、そのスイングに健常者の一般アマチュアゴルファーにも大いに参考になるポイントがあった。 「私はオープンスタンスで構えて大きくインサイドアウトに振っているのですが、それは体のネジれを強くしたいからです。オープンに構えることでバックスイングでの捻転が大きくなり、フォローではしっかり左へ振り抜きやすくなります。ただし左サイドをめちゃくちゃガマンすること。この下半身のねばりが大事です」と小山田。腕1本で振るハンデを捻転力でカバーしているのだという。 「グリップは超フック。腕をローリングしてフェースを返す意識はありません。体の回転でナチュラルにローテーションさせています。そのためには左手首の角度をキープすることが重要です。ダウンスイングでヘッドを落とさないように、頑張って手首の角度をキープする。これでヘッドスピードも上がってきます。押して打つより、引いて打つ感覚です」 この引いて打つ感覚が、「実は日本人には合っている」と小山田はいう。小山田は左腕1本で250ヤードを軽く飛ばす。飛距離不足に悩んでいる人は、小山田流の振りを一度試してみる価値はありそうだ。(文・河合昌浩)

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