「恥ずかしかった(笑)」 超新星のローズ・チャンは30センチのパットにも大歓声

<ミズホ・アメリカズオープン 最終日◇4日◇リバティ・ナショナルGC(米ニュージャージー州)◇6656ヤード・パー7>

はじめてプロゴルファーとして臨んだ「ミズホ・アメリカズオープン」で優勝を遂げた20歳のローズ・チャン(米国)。今年の「オーガスタナショナル女子アマ」を含む数々のタイトルを獲得してきた次世代のスーパースターは、やはり異次元だった。
米国ではその知名度はすでに抜群だった。2020年に「全米女子アマ」を制するなどジュニアとしてアマチュア最高の栄冠に輝くと、名門スタンフォード大に進学し全米大学選手権の個人戦を2連覇。「今のタイミングが正解だと思った」と先々週の同選手権優勝から1週間。今度は並み居る強豪を押しのけて、プロの世界でも頂点に立った。

マネジメント会社はタイガー・ウッズ(米国)を擁する米国のエクセル・スポーツ。すでに昨年の2月にアマチュアとして契約を始め、スポンサーも多数ついている注目株。メディアでも常に取りあげられるスーパースターは、女子ゴルフを牽引していく存在として注目を集めている。

今大会前にもチャンのプロデビューは大きく取り上げられ、会場入りをすればテレビ局や米メディア、LPGAから常に追われた。そんな環境の変化も意に介さず、デビュー戦からいきなり優勝争い。3日目を終えて単独首位に立つと、最終日は伸び悩んだが、最後はプレーオフで偉業を成し遂げた。

コース上では、すでに自称ファンクラブから熱烈な声援を浴びた。一部の男性ファンが“Rose Buds”、つまりバラのつぼみを意味するクラブを結成し、ローズによれば、「30センチのパットを入れただけで大歓声、ティショットをフェアウェイに打っただけなのに大きな声で応援してくれた」と、ローズ自身もこの熱狂ぶりには驚きを隠せない。

「なんかおかしかったし、ちょっと恥ずかしかった(笑)。でも、とても楽しかった。ゴルフはこうあるべきと思えた」。すでに米女子ゴルフを背負って立つ選手との呼び声が高い。米男子ツアーに比べて人気が落ちる女子ツアーの活性化、そして、人気を上げることができる選手と、米メディアも繰り返し報道している。

まだ大学生だが、「若い選手にいい影響を与えたい」と、ジュニアゴルファーのよきお姉さん的役割を果たす。「私のゴルフを見て目標にしてもらいたいし、ゴルフ場にいないときでも常に見られているという自覚を持ちたい」と、礼儀正しさや爽やかさで周りを魅了する。

つぼみどころか、すでに大きく開花したローズ。次戦はまだ未定だが、今後ツアーを席巻するのは間違いなさそうだ。(文・高桑均)

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