
<BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 初日◇1日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース(茨城県)◇7430ヤード・パー71>
2007年大会のチャンピオン、片山晋呉は初日のスタートホールで、セカンドショットをいきなりOKにつけてバーディ発進。続く2番パー5でも2オンさせて連続バーディとした。その後は3つのボギーもあってパープレーの「71」。イープンパーは39位タイの発進となった。
片山がホールアウトした時点で、米澤蓮と金谷拓実が7アンダーでリーダーボードの一番上にいた。「もう手一杯ですよ。十分です。7アンダーとかすごいでしょ。どう考えても出ないよね。上位は20代前半。こっちは50代前半だから」と、茨城弁のイントネーションで話す目は笑っている。
この日は、前週の海外シニアメジャー「全米プロシニア選手権」で10位タイに入った宮本勝昌との組み合わせ。片山と宮本は、茨城県の名門・水城高校、そして日大と7年間同じ学校で過ごしている。「どう?って聞いたら、『全然やれるよ』っていう話です」と、自身も目指す海外シニアメジャーについて会話が弾んだ。予選ラウンドを2位で突破した宮本の姿を「かっこいいよ。最高。うらやましいよ。俺は出られないから」と見ていたようだ。
今年1月に50歳となり、2週後の「スターツシニア」でシニアデビューを迎える。宮本と同じように、今年はシニアとレギュラー、両ツアーに出場する忙しいシーズンとなりそうだ。「モチベーションは普通にあります。モチベーションがなくなっちゃったのは1回しかないんですよ」。
片山は2009年の「マスターズ」で当時日本人最高の4位に入ったあと、燃え尽き症候群になり、およそ5年間勝ち星から遠のいた。08年にツアー通算25勝目を挙げて永久シードを獲得しながらも、昨シーズンまで25季連続で賞金シードを守り、ツアー通算31勝を積み上げた。それは現在、レギュラーツアーの賞金シード選手の中で1番の勝利数となる。
ここで片山は「ケツはあと何年って思っているから」と、レギュラーツアーの“やめどき”についても触れる。「できないのもわかっているし、長くずっとやるタイプではないのもわかっている。レギュラーツアーは苦しくなったらやめる。成績が出る出ないに関係なく。まだ楽しいもん。好きなことが嫌になったり苦しくなったらやめる。そうしたら教えることとシニアだけ」。
片山は、「日本オープン」、「日本プロ」、「日本ゴルフツアー選手権」、「ゴルフ日本シリーズ」の4冠を達成しており、シニアでは「日本プロシニアと日本シニアオープンは勝ちたいですね」と日本タイトル2冠を一つの目標としている。やはり日本ゴルフ界屈指のゴルフ大好き男のモチベーションは尽きることがない。(文・下村耕平)