
<リゾートトラスト レディス 初日◇25日◇グランディ浜名湖ゴルフクラブ(静岡県)◇6500ヤード・パー72>
今週の開幕前にヘルニアの手術を受けたことを報告した原英莉花は、2019年にツアー初優勝を挙げた思い出の地で欠場を余儀なくされた。その替わりとしてウェイティングから出場したのがツアー通算1勝の藤田光里。ドタバタ調整のなか、難しい午後組だった初日を1アンダー・38位タイで滑り出した。
今季開幕時のQTランキングは52位。現在は下部のステップ・アップ・ツアーをメインに、出られるレギュラーツアーにも出るという“往復生活”を送っている。先週はステップの「ツインフィールズレディース」を土曜日までプレーし、プロアマ参加のため日曜日まで会場となった石川県に滞在。さらに翌日は千葉に移り、6月の「アース・モンダミンカップ」の主催者推薦選考会(マンデートーナメント)で18ホールをプレーし見事に出場権を獲得した。そして急きょ決まった、静岡での試合に臨んでいる。
「会場に入ったのは開幕前日の午後3時。練習ラウンドはできませんでした。ティショットをどこに打ったらいいのかとか、ずっとメモとにらめっこしながら回ってましたね」。過密日程に加えて、いきなり出場が決まるウェイティングという立場。「月曜日はさすがに爆睡しました(笑)」と、なんとか体力を維持しながらラウンドを続けている。
今週は月曜日には出場できるメドが立っていたため、まだ気持ちを作る時間はあったが、当日になっていきなり出場が決まることも珍しくはない。そんなウェイティングという立場の難しさを藤田は、「ステップとレギュラーのどちらにも出てると、日程的に厳しいところもある。(ステップは)毎週末あるわけではないし。今週もマンデーを挟んでいるので体力勝負ですね」と話す。木曜日あるいは金曜日から日曜日で固定されるレギュラーとは違い、ステップは週中から週末にかけて行われる大会ばかり。翌週の予定も立てづらく、現に藤田も先週の時点ではウェイティングか今週のステップ出場か迷っていたという。
それでも「ずっとゴルフ場にいるほうが調子が上がる流れが昔からある」と、さわやかな笑顔でプレー。先週はパッティングの調子がいまいち上がらなかったが、まずは初日をアンダーでまとめた。連戦によりヒザなど下半身には不安を覚えるが、出場できるチャンスを逃さないためコンディション維持にも努めている。
「池がたくさんあるから、怖いんですよ(笑)。だからイメージが悪くならないように、事前の段階ではメモもそこまで深くは見られなかった。刻むホールとかだけを確認して」。ようやく1ラウンドでき、2日目はまだ風も穏やかな午前組でのプレーとなる。「前半戦の出場はここが最後になる。出られることががすごくうれしかったです」。そんな思いをコースで表現したい。(文・間宮輝憲)