
<ブリヂストンレディス 事前情報◇17日◇中京ゴルフ倶楽部 石野コース(愛知県)◇6573ヤード・パー71>
今季から米女子ツアーを主戦場とする西村優菜は16日夜に帰国したばかりという強行軍で参戦となった。前夜は2時間睡眠で、17日のプロアマ出場のため、早朝に大阪から愛知に移動。「時差ボケなのかもまだよく分かりません」とコンディション万全とは言い難い状態だが、2カ月ぶりの国内ツアーを楽しみにしている。
厳しいスケジュールの中、今大会に出場する理由について、西村は「正直ギリギリまで悩みました。この状態で出ることに不安はあったんですけど、久々に大ギャラリーの中でプレーしたい、ファンの皆さんに会いたいという楽しみな気持ちの方が勝ちました」。2カ月の米国滞在でホームシックにはならなかったが、ギャラリーの大歓声のなかでプレーできない寂しさは大いに感じていたようだ。
米女子ツアーではここまで6試合に出場して、予選落ち1回、最高成績は17位タイ。優勝争いに加わるようなプレーはできていないが、リシャッフルは無事にクリア。これまでは常時、試合に出られるとは限らない不安定な立場だったが、ほぼすべての試合に出られるカテゴリーに昇格を果たした。この2カ月を振り返り「リシャッフルまで精神的にもタフな試合が続いたのでホッとしているのと、課題がたくさん出てきて一杯一杯だなという感じです」。いくつもある課題の中でも一番に挙げたのは硬く速いグリーンへの対応だった。
「ボールが止められないので、手前から攻めたいんですけど、そこも左右に傾斜があってターゲットが狭い。他のプレーヤーは短い番手でスピンで止めてくるので、同じようなところからでもピンチとチャンスになってしまう。そこが課題だなと思います」。この日のプロアマ後の練習では6番アイアンよりも高弾道のショットが期待できるアイアン型ユーティリティをテスト。実戦投入するかは未定ながら、これも課題克服に向けた工夫のひとつだ。
アマチュア時代から何度もプレーしている今大会のコースについては「短いイメージだったので、距離が伸びているのが印象的。普段の風向きだとアゲンストになるホールの距離が伸びているので、耐えるホールとチャンスにつけるホールのメリハリが大事だなと思います」。こうしたマネジメントは得意とするところだろう。米国で新たに身につけた技術を問われ「こういうショットを打ちたいというのが明確になって、練習はしているんですけど、まだできてはいないです」と話した西村だが、大歓声を送るギャラリーは成長を感じさせるプレーを期待しているはずだ。(文・田中宏治)