
<RKB×三井松島レディス 事前情報◇10日◇福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県)◇6299ヤード・パー72>
20位でベストアマに輝いた先月の「KKT杯バンテリンレディス」以来の出場となるアマチュアの吉田鈴は、大きな刺激を胸に12日の初日に向かう。
「あまり調子はいいほうではない。なんとか調整して、普通の状態までもっていきたいです。フィーリングが悪いままではいたくない」。福岡での課題はショット面のバラつきをしっかりとまとめることだ。火曜日にコースに入り9ホール、そして水曜日に18ホールを回り、状態をチェックした。「初めてです」という和白はアップダウンの激しさが特徴の1つ。「砲台グリーンだと球も止まらない。上げる球も大事だけど、ボールにしっかりミートして体の力をうまく使えるようにしたい」とショットの出来がカギになるだけに、調整にも熱を帯びる。
先週行われた「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」では、3学年上の姉・吉田優利がメジャー初制覇を成し遂げた。妹は手に汗握りながら、配信されたインターネット放送で試合の様子を見守った。優勝後には家で顔を合わせ、『おめでとう』、『ありがとう』のやり取りをしただけ。「話を聞きたいですね。マネジメントとかよりも、そのときの感情とか何を考えていたのかを。プレーは見ていたので」。その言葉から自分のゴルフに役立つヒントを得たいと考えている。
印象に残ったことがある。「去年つらい思いをしたと思うし、優勝した翌日も朝6時に起きて練習してて、さすがだなと思いました」。昨シーズンは5度の2位など、あと一歩で勝利を逃すシルバーコレクターとして悔しい思いを何度もした姉が、ビッグタイトル獲得後も変わらず練習に打ち込む姿に感銘を受けた。「姉も休むときはしっかり休むタイプだけど、『集中するときは集中して、この一打を決めるための練習をしないといけないよ』って言われています」。この言葉を、改めて胸に刻むことになる光景だった。
調子が決してよくないなか迎えるレギュラーツアーの舞台だが、そこでも姉の姿は参考になる。「調子が悪くても(優利は)予選落ちしないし、トップ10も外さない。悪いときの対処法が上手。私は自分のプレーができないと予選落ちしてしまうけど、それができればアマチュアでも予選落ちしないはず」。常に好調のままシーズンを送れる選手など皆無と言ってもいい。そのなかでうまくやりくりするプロが身近にいるのは、大きい。
今週の目標は「最終日をいい位置で迎えて、優勝争いに絡むこと」。予選通過は大事だが、しっかりと上位で決勝ラウンドに入ることを目指す。それは、こういう戦いを続けることで、「プロテストだけでなく今後のゴルフ人生にもつながる」と考えているから。これからも多くのものを得て、まずは今年の大きなターゲットとなるプロテストまでの時間を過ごしていく。(文・間宮輝憲)