
<シェブロン選手権 3日目◇22日◇ザ・クラブatカールトン・ウッズ(米テキサス州)◇6824ヤード・パー72>
4バーディ・3ボギーの「71」と、1つ伸ばしてホールアウトした渋野日向子は、「苦しい感じだったけど、なぜか1アンダーで回れてよかったです」と少し不思議そうな表情を浮かべる。内容と結果についての違和感がその理由。「全然比例してない。ラッキーもあったり、アプローチが寄ってくれて微妙なのが入ってくれたりで、それなりに耐えたからよかったかな」という感覚を残す一日だった。
スタートの10番パー4では、ティショットが大きく右に曲がり、セカンドショットはロープ外のラフからとなった。さらに木の上を越えたショットはグリーンまで到達しない。だが、その後の3打目のアプローチを1メートルほどに寄せ、ピンチをしのいだ。「きょうはそういう日かなと思って回っていたので、3打目もしっかり打ててよかった」。朝の練習場から当たりの悪さを感じ、「ちょっと曲がる日かなー」としのぐ展開は覚悟していた。
11番では2メートルのパーパットがカップに蹴られ、ボギーが先に来た。それでも12、13番でそれぞれ3メートル、2メートルを決めて連続バーディを奪うなど、失っても獲り返す時間が続いた。「池ポチャせんかったぶん。昨日、一昨日と池ポチャしてるから」と、スコアメイクについては冗談半分に振り返るが、決勝に進んだほかの日本勢4人が大きくスコアを落とすタフなコンディションのなか耐え抜いた。
もともとドローボールが持ち球だが、スイング改造の影響で今はフェード気味の球が出る場面をよく目にする。ただ、これについても本人のなかで「それを見越して構えてるし、打っている感じ」と割り切り、マネジメントも組み立てられている。「右手が強く入ったら左にひっかける、ということがきょうは多かった。理由は分かってる」と、実戦のなかで得たものを課題にして修正をはかる。
「取りこぼしも多々あるけど、めちゃくちゃへぼいアプローチは少ないのでましかな」と、グリーン周りでしっかりと耐えられているのもアンダーで回れている要因のひとつ。6800ヤードを超すコースで、雨の影響もあってコンディションも日替わりのメジャー大会では、そこでのミスは大きなスコアロスにもつながってくる。
トータル1アンダー・29位タイは日本勢の最上位。残る1日は、暴れているショットをなんとか沈め、気持ちよくフィニッシュしたい。「残り18ホール、しっかり悔いが残らないように頑張ります。簡単ではないコースですけど、アンダーを出して帰りたい」。テキサスの風も味方に、最後まで今季メジャー初戦での上位進出を狙いたい。(文・間宮輝憲)