天本ハルカとソフトボール上野由岐子の共通点 猫背タイプで“帽子は浅め”が合う

天本ハルカが昨年1年間かぶり続けたキャップがある。普通はウェアの色味に合わせて、キャップも変えるものだが、天本は暑い夏場以外、ツアーに帯同する母が毎日のように手洗いを繰り返して1つの黒いキャップで通した。それはなぜなのか。
「最近深めの帽子が多くてかぶりづらいと思っていた。深すぎるとアゴが上がってボールを見てしまうので、スイングを崩したりする場合があった。浅めでツバが短いこの帽子をかぶることによって、アゴが上がらなくなって安定したんです」と、たった1つのプロトタイプをかぶり続けた天本はいう。

これだけ聞くと、何を言っているのか、意味がわからない人も多いだろう。天本は野球の千賀滉大やソフトボールの上野由岐子らを指導するアスリートコンサルタントの鴻江寿治氏に体の動かし方を習っている。鴻江氏が提唱する『鴻江理論』は、猫背タイプの『うで体』と、反り腰タイプの『あし体』に分かれる。『うで体』が『あし体』の動きを入れるとアウト。体の中でエラーを起こしてケガを誘発することもある。

3月10~12日にパシフィコ横浜で開催された「JAPAN GOLF FAIR 2024」(ゴルフフェア)では、デサントブースで天本がかぶっていた『鴻江キャップ』を説明する鴻江氏の姿があった。

「インパクトでバーンと足を伸ばすのは『あし体』で、『うで体』はヒザを曲げておかないとクラブを引きつけられません。だからアゴを引いて前側に重心を乗せておきたい。浅くてツバの短いこの帽子をかぶることによって、自然と体が動かしやすいポジションにくるのです」と鴻江氏は来場者に説明する。

つまり、天本は猫背タイプの『うで体』のため、深いキャップをかぶるとアゴが上がって重心が後ろに来てスイングを崩していしまう。浅めでツバの短いキャップをかぶることで、アゴが引けてスイングが安定するようになったのだ。

スイングタイプが2種類だから、今年商品化された『鴻江キャップ』も2種類。天本がかぶる『うで体』用と、深めでツバの長い『あし体』用がある。こちらは着用することで自然と重心が後ろにかかるわけだ。

ここで天本の話に戻る。「鴻江先生から初めて帽子を渡されたときは、正直本当かな?と思っていました(笑)。調子がいいときはどんな帽子でもいいんですけど、調子が悪くなったときや、スイングが崩れているときは抑えが利く。年間通していいときばかりではないので、うまくその幅が収まっている感じはあります」と、1年間かぶり続けて効果を感じた。

ソフトボールのレジェンド、上野由岐子も天本と同じ猫背タイプの『うで体』。試合ではもちろん所属するチーム「ビックカメラ高崎 ビークイーン」のキャップをかぶるが、練習やトレーニングでは天本と同じ『鴻江キャップ』をかぶっている。毎年1月には、鴻江氏が指導するプロ野球選手、ソフトボール選手、プロゴルファーらが福岡の八女市に集結して、一緒に合宿を行う。天本も上野も参加した今年の合宿で、1キロの下り坂をダッシュする名物メニューがあるのだが、2人の間でこんなやりとりがあった。「上野さんと話していて、2人できょうは走りづらいねという日ががあったんです。『帽子かぶってみる?』と言って下り坂で上野さんが走ったらタイムが縮んで。実際、きつくないのに走りやかった。走るときも目線が上がるとなかなか前に進んでいかないんです」と天本は話す。

これには鴻江氏も「上野さんは練習中使っています。彼女は左ヒザが悪くて去年1年間はずっと投げられなかったんです。今年の1月から投げ始めて、『帽子をかぶるとヒザが痛まないんです』と言っていましたね」という。

デサントでは『うで体』、『あし体』それぞれのゴルフウェアも開発中。また、「JAPAN GOLF FAIR 2024」では鴻江氏の理論を聞いて興味を示すメーカーもあった。もしかしたら将来、ゴルフクラブも2タイプのものが発売されるかもしれない。

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