
<ソニー・オープン・イン・ハワイ 事前情報◇11日◇ワイアラエCC(米ハワイ州)◇7044ヤード・パー70>
今季は米国挑戦の第一歩を踏み出す特別な年。24歳の若武者は、課題克服のヒントを得るため日本が誇るマスターズ王者に“弟子入り”を志願した。ハワイで2023年の初戦を迎える桂川有人は、充実の準備期間を過ごしている。
開幕2日前となる10日には、ディフェンディングチャンピオンとして出場する松山英樹との9ホールの練習ラウンドに臨んだ。昨年7月のメジャー大会「全英オープン」以来となる“合同練習”では、「ショートゲームにまだまだ課題がある。アプローチやパッティングなどの質問をさせてもらいました」と積極的にコミュニケーションをはかった。その意気に松山も丁寧に応える。「近くで見たいと思っていた。一番はアプローチの打ち方を見ていました。こっちのラフは独特ですし」と、王者の技を目に焼き付けた。
松山本人にインスタグラムのDM(ダイレクトメール)でお願いして実現したラウンド。「返ってこないんじゃないかなと正直思っていたんですけど」とダメ元の打診だったが、返信があった。「すごいうれしい」お年玉を、今後の戦いにもつなげていきたい。
昨年11月に米下部ツアー(コーン・フェリーツアー)の予選会に挑戦。ここで45位になったことで、現時点で4試合程度の出場権は手にできそうな状況だが、まだ不透明な部分も多い。「エントリーが終わらないと決まらない部分がある。今のところ3試合目、4試合目のパナマ(2月2日〜)とコロンビア(2月9日〜)は、まだ枠のなかに入っているけど…」と本人も模索している状態。出場権がおりてくれば現地に向かい、米本土外でのデビュー戦に臨む覚悟だ。
今季は米下部以外にも、昨年初優勝を挙げた日本ツアーはもちろん、アジアンツアーにもフル出場できるため選択肢はワールドワイド。今週の試合を終えると一度日本に戻り、「2月に南米に行って、また帰ってきて、という感じ。(コーン・フェリーは)2月の次は3月末なので、そこは日本で。アジアンツアーは春先くらいから、タイミングが合えば」と出場試合の選別を行っていく。
夢は大きく「海外でも初優勝したい」。米下部ツアーでは限られたなかで結果を出し、シーズン中の優先出場順位見直し(リシャッフル)を突破し、その後の試合につなげないといけない立場。だが「PGAツアーに上がる」という目標は変わらない。最終的には下部ツアーのポイントランキング上位に入り、“昇格戦”といえる全4試合のプレーオフに進むことがマスト。試合が進むにつれて出場人数が減っていくシステムのなか、最終的に上位30人に入れば24年はPGAツアーに出られる。狭き門だが、ひるんではいられない。
「初日はやっぱり不安ですね、どうなるか。初日が終われば何となく、すっきりすると思うんですけど。ショートゲームは正直自信がない。もっと自信を持ってやっていけるように、経験して、成長していくのが今年の目標」。推薦で出場する今大会は、将来への試金石にもなる。年始のハワイで結果を残し、“自信”を深めたい。