与党が提出した「副首都」創設法案の審議が10日に再開される。日本維新の会は今国会中の成立を譲らない構え。14日の衆院通過が事実上の期限とみられており、質疑日程がずれ込めば会期延長になる可能性がある。
法案は大規模災害時に首都機能を代替する区域の整備が柱。「大阪都」構想の住民投票を府全域で行えるようにする付則の規定は削除されたものの、維新には党の命運を懸けて来春実施を目指す住民投票に向けて弾みをつける思惑がある。
衆院の地域活性化などに関する特別委員会は9日の理事懇談会で、10日に与党から法案の内容を改めて説明し、国民民主党が提出した対案の趣旨説明も行うことを決めた。
6月30日に与党が審議入りを強行し、今月1日も野党が欠席する中で質疑を続行。その後、皇室典範改正案の審議を優先するため中断となった。挽回を図る与党は週明けの13日に質疑を始め、14日に採決までこぎ着け、同日の衆院本会議に緊急上程して可決する段取りを描く。
今国会の会期末は17日。与党の想定から1日でも遅れれば成立が間に合わなくなる計算で、その際の対応について自民党参院幹部は「会期延長が必要になる」と明言した。
自民は国会を正常化させるため、高市早苗首相が出席する予算委員会集中審議の実施を野党に約束した。ただ、日程協議は進んでおらず、中道改革連合幹部は「首相の出方次第で国会はまた空転する」とけん制した。
与党は参院で過半数を持たないため、対案を出した国民民主の対応も焦点となる。
同党案は道府県から政令市に権限や財源を移す「特別市」制度を導入する法案と、地方選と住民投票の同日選を禁止する法案の二本立て。与党に修正協議を求めているが、維新の吉村洋文代表は9日の記者会見で「特別市」に慎重な立場を示した。与党はチームみらいなどの賛同を得るため水面下で働き掛けている。
〔写真説明〕記者会見する日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)=9日午後、大阪府庁
〔写真説明〕地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する衆院特別委員会の理事懇談会=9日午後、国会内
〔写真説明〕首相官邸に入る高市早苗首相=9日午前、東京・永田町