「56日間入院していた」片山晋呉が174日ぶりに復帰し、ベースボールグリップにチェンジ!

<いわさき白露シニア 事前情報◇20日◇いぶすきゴルフクラブ(鹿児島県)◇7074ヤード・パー72>

6月の「スターツシニア」を腰痛のために欠場した片山晋呉。その後は何カ月もトーナメントに出られなくなるとは本人も予想していなかった。
夏頃にはオンラインサロンのメンバーには長期間入院していたことをメッセージで伝え、病状が心配されていた。そして、所属するイーグルポイントゴルフクラブで9月下旬に開催された「日本プロゴルフシニア選手権」では、選手としてではなく解説として4カ月ぶりに試合会場に姿をみせ、自身のSNSで「6月から二か月ほど入院をしていました」と明かした。

最初は腰痛の原因が分からなかったが、さまざまな検査をするうちに椎間板に細菌が感染する化膿性椎間板炎と診断され「緊急入院」。その痛みについては「寝ながら一日50回くらいぎっくり腰」と表現する。抗生物質を点滴で投与する治療は、「56日間入院していました」と2カ月近くにも及んだ。その間は「寝たきり」。痛み止めの注射を打ってトイレに行くのが精一杯で、「入院生活の一番ひどいのを見ている人は、いまこんなに歩いているのが信じられないと思う」と話す。

退院してからも「一人ではなにもできない。最初の1週間はヒカルと共同生活」と、マネージャーを務める黒澤ヒカルさんの助けを借りていた。「そこまでいくと開き直っちゃって、日常生活だけできればいいわ」と、ゴルフのことまでは「1ミリも」考えていなかったという。

ようやくクラブを握ったのは退院してから1カ月後。「クラブが重いし硬い」と110グラム台だったアイアンとウェッジのシャフトは、現在90グラムに落としている。もともとやさしいスペックを選ぶ片山だが、90グラム台は女子プロが使うスペックとほぼ変わらない。280ヤード飛んでいたドライバーは「235ヤード」まで落ちた。「昔はヘッドスピード47m/sくらいあったけど。今は42~43m/sしかない。女子プロの振れない人くらいだと思います」。
そして、コースを回ったのは10月に入ってから。それも9ホールだけ。18ホールを回ったのは今大会のプロアマを含めて、3カ月で「3回」だという。

現在のスイングは入院前とは変化している。腰を回りやすくするために両足のツマ先を開いてガニ股気味にアドレスし、グリップは指を絡めずに握るベースボールグリップにチェンジ。「ベースボールグリップの方がヘッドは走る。小学校3、4年生くらいまではベースボールグリップだった。いつか試してみたいと思っていた」。ほぼ3カ月クラブを握っていなかったため、「感覚ゼロ」。それを利用してベースボールグリップに変えるあたりが片山らしい。

9月からはトレーニングを再開。ウェイトを行わない片山は「前から行こうと思っていた」という『初動負荷』を初めて取り入れた。現在は初動負荷のジムに「週3回は行っている」。寝たきり生活で固まって動かなくなった筋肉が徐々に動くようになった。

大会初日については「できるか、できないか、朝になってみたいなと分からない」と、その日の状態で決める考えを示していたが、5月31日の「すまいーだカップ」最終日以来、174日ぶりの試合復帰となるティショットを1番ホールで放ってコースに飛び出した。

前日のプロアマ後は「このパフォーマンスはプロとしてまだ全然だし。成績というよりも『周りにお前は来るなよ』っていう雰囲気にさせちゃいけない。それくらいになれれば出てもいいかなと。今日はでも大丈夫だった。70台はまだ出ないと思う」と話していた。それなのに、現在ハーフを終えて2バーディ・3ボギーの「37」は1オーバー。完全に試合モードのスイッチが入っている。「30台が出た!」と笑顔で後半のラウンドに臨む。

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