<ダンロップフェニックストーナメント 初日◇20日◇フェニックスカントリークラブ(宮崎県)◇7117ヤード・パー70>
ツアー未勝利の25歳・前田光史朗が「64」で回り、6アンダーで単独首位スタートを切った。序盤の3番パー3で10メートルを沈めるなど、初日は27パット。今週月曜日にお風呂場でのひらめきから、パターをチェンジしたことが見事にハマった。
「お風呂やサウナで結構ゴルフのことを考えちゃうんです。それで何かを変えたいなって…」。先週はショットが好調だったものの、グリーン上で苦戦し59位。シーズンを通しても、なかなか決まってくれないパッティングを改善するため、思いついたのはヘッドの形状はそのままにネックを替えることだった。
翌日の火曜日にメーカーの担当者に相談すると、希望のものが1本だけ見つかった。手に入れたのは練習ラウンドを終えた後で、水曜日のプロアマのメンバーには入っていない。「練習グリーンで打っただけで、コースで打つのはきょうが初です」といきなりの実戦投入だった。
クランクネックからショートスラントのものに替えたことで、何が変わったのかを尋ねると「つかまりが良くなって、大きく曲がるスライスラインでもしっかりつかまってくれる感覚がありました」。ただし、実際に初日に決めたバーディパットは「フックラインばっかりでしたね(笑)」。終盤の17番パー3では右サイドのカラーから5メートルを沈めた。
先週の3日目に大会レコードの「62」を叩き出した古川龍之介は日本大学の同期。4年時は古川がキャプテン、前田が副キャプテンだった。「今週もご飯に行きました。ツアーに出ている同期は自分たち2人だけなので活躍は刺激になります。悔しい気持ちもあるし、ライバルですね」。今回は前田が古川に刺激を与えるプレーを見せた。
首位発進は自身初だが「今から優勝したいとかは考えていません」と先が長いことは分かっている。目標は最終日を上位で迎えること。「最終組に近いところで回れれば、松山(英樹)さんや米ツアーの選手とプレーするチャンスもあると思う。そういう機会は日本ではこの大会だけなのでチャンスをつかみたいですね」。第1希望はまだ言葉を交わしたこともない松山とのラウンド。同組になった際には「ショートゲームを見てみたい」と目を輝かせた。
現在賞金ランキング56位で3年連続のシードは決めているが、初シードだった一昨年の42位、昨年の30位からはランクダウン。シーズン終盤のビッグトーナメントで結果を残し、今季を自己最高のシーズンに塗り替えたい。(文・田中宏治)
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