<CMEグループ・ツアー選手権 事前情報◇18日◇ティブロンGC(フロリダ州)◇6734ヤード・パー72>
8年連続8度目の出場。ポイントランキングトップ60しか出場できない最終戦に、畑岡奈紗が戻ってきた。その肩書きはポイントランク12位に米通算7勝。2週間前、日米共催「TOTOジャパンクラシック」では2022年4月以来、3年半ぶりに優勝カウントを増やすことができた。
TOTOでは一度スタートした最終日が、悪天候により中止に。3日目終了時点で首位に並んだ畑岡と荒木優奈の変則プレーオフで勝負がつけられた。ボギーとした荒木に対し、畑岡は2メートルのスライスラインをジャストタッチで決めてパー。米ツアーでは4戦4敗だったプレーオフで、初めて勝利をつかんだ。
「いままで勝ったことがなかったので“プレーオフか…”と思ったけれど、最後のパットを決められたのはすごく大きかった。去年くらいからパッティングが思うようにいかないところがあった。最後(のパット)は試練だと思ったけれど、うまく決められてよかった」
これまで取り組んできたことが、結果として実を結んだ形。「今後も続けていくこと、継続していくことが大事。ああいう状況こそシンプルに、いまやっている姿勢に気を付けることを意識してやる。その練習を続けていきたい」。最高の手土産とともに入ったシーズン最終戦でもやることは変わらず、丁寧に課題に向き合っていく。
2021年、23年には首位で最終日をスタートし、ともに2位で終えている。「けっこう好きなコース」と視界も良好だ。今年は月曜日の練習ラウンド、火曜日のプロアマですでに1.5ラウンドをこなし、昨年より数ホールで距離が伸びたコースを確認した。
「勝ってここに来るのはひさしぶり。この3年間は勝てていなかったので、最後にここでチャンスを、ということは多少あった。それ(心のゆとりができた)はあると思うし、もう一試合勝ちたいという気持ちも増しました」
TOTOは多くのトップ選手がエントリーを回避したため、秋のアジアシリーズ4試合のなかでは世界ランキングポイントが最も低かった。54ホール競技に短縮されたことも、少しばかりやりきれなさを残している。
「上の選手もあまり出ていなかったので、フィールドの厚い試合で勝ちたい。4日間大会で勝ちたいなという気持ちもある。今週勝てたらやっぱり本物かな、と思います」。優勝賞金は400万ドル、日本円にして6億2200万円。3年ぶりの勝利を飾ったあとに、“3度目の正直”があってもいい。(文・笠井あかり)
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