「イメージができていた」圧巻の一発、日本代表の流れを変えた中村敬斗「途中出場した選手が…」

 日本代表は18日、キリンチャレンジカップ2025でボリビア代表を3-0で破った。同試合の67分からFW上田綺世(フェイエノールト/オランダ)、FW町野修斗(ボルシアMG/ドイツ)とともに途中出場して、1ゴール1アシストと目に見える数字を残したMF中村敬斗(スタッド・ランス/フランス)は、「3人同時に途中交代で入って、良い意味で流れを変えられた」と確かな手応えを口にした。

 まさに“流れを変えるワンプレー”だった。日本代表は4分にMF鎌田大地(クリスタル・パレス/イングランド)のゴールで先制したものの、以降は停滞した時間が続いていた。だが、67分の3枚交代の直後、チャンスが生まれる。上田のポストプレーから、落としを受けた中村が右サイドへ展開。MF堂安律(フランクフルト/ドイツ)からのクロスボールに対して上田がヘディングで飛び込んだ。

 ピッチに入ってからのファーストタッチがチャンスの起点となった中村は、「上田選手は縦パスを収められる選手なので、それに尽きます」と一言。「正直、簡単な作業でした。上田選手は(体が)ちょっと強すぎます。正直、えぐいっすね(笑)」と、上田への賛辞を惜しまない。

 そして、71分に町野が挙げた待望の追加点は、右ポケットに走り込んだ中村が、大外の堂安からスルーパスを呼び込んだことで生まれたものだった。ピッチに立つ直前、森保一監督から「普段はウイングバックで出ているけど、今日はシャドーで出てもらうので、よりゴールに近い位置で、確実に狙っていて欲しい」と伝えられていたことを明かした中村は、この動きを「シャドーならではの動き出しだった」と語る。「いつも、僕はウイングバックで、パスを出す側に回るので、今回は堂安選手がすごく良いパスをくれました。うまくポケットを取れて、クロスは味方に当てに行くイメージでしたね」と、自らのアシストシーンを振り返った。

 この日の中村はアシストだけではなかった。78分、左サイドをうまく抜け出した上田からボックス内でボールを受けると、足裏を使ってうまくボールをマイナス方向へ引き込み、開かせた相手の股を通す圧巻の一撃を沈めた。中村は「本当に最高のタイミングでボールもらえたので、上田選手に感謝したい」としつつも、「一度マイナス方向に(ボールを)引いて、シュートに行くのは、僕の中では完全にイメージができていました」と明かす。

 自らの中でイメージが近かったのは、昨季のリーグ・アン第27節マルセイユ戦のゴール。パスを受けた位置も、相手の外し方も類似しており、異なるのはシュートを叩き込んだコースだけだ。「あのタイミングで受けた時は、自分の形を持っています」と胸を張る中村は、「去年のマルセイユ戦も同じ形で決めることができて、当時は後ろから(相手が)来たわけではないですが、今日は(パスを)貰った時には相手が見えていて、すぐに体が動いた感じでした」と自らのゴールを分析した。

 これで中村は、日本代表22試合目の出場にして早くも10点目をゲット。シャドーのポジションにはMF久保建英(レアル・ソシエダ)、MF南野拓実(モナコ)、鎌田らがおり、左ウイングバックにも、今回はコンディションの関係で招集されなかったMF三笘薫(ブライトン/イングランド)やFW前田大然(セルティック/スコットランド)がいる。熾烈を極める定位置争いの中で、目に見える結果を残したことは中村にとっては大きなプラスだろう。

 ただし、中村は「必ずしもスタメンで出ることがいいとは思っていない」と口にする。「もちろん、みんなスタメンで出たい気持ちはあるし、レギュラー争いもある。でも、途中出場した選手が試合の流れを変えることはすごく大事です。僕は最終予選では基本的にベンチにいて、途中出場も多かったので、そこは意識していました。チームの中で自分に与えられた役割がある。僕はそこをやるだけだと思っています」と発し、スタートからでも、“ジョーカー”としてでも、明確な結果でチームに貢献する覚悟を感じさせた。

 日本代表の2025年のスケジュールは今回の試合を持って終了。それぞれの選手は、所属クラブに戻って、3月のインターナショナルマッチウィークまでアピールを続けていくことになる。スタッド・ランスは今季リーグ・ドゥ(フランス2部リーグ)を戦っており、中村は「他の代表選手に比べたらどうしてもレベルは落ちてしまう」と正直な心境を口にしたが、一方で、「良い意味で流されないでいた方がいい。違いを見せて、結果を残し続けるのが自分には必須だと思います」と意気込んでいた。

【ゴール動画】中村敬斗、圧巻の1ゴール1アシスト

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