<アニカ・ドリブン by ゲインブリッジ at ペリカン 最終日◇16日◇ペリカンGC(フロリダ州)◇6349ヤード・パー70>
個人戦としては2カ月ぶりのツアー出場となった西郷真央は、トータル11アンダー・11位タイでフィニッシュした。最難関の2番でダブルボギーを叩く苦しい立ち上がりだったが、7番からの4連続バーディを含む7バーディを奪って「65」。昨年は予選落ちに沈んだ苦手コースで、4日間すべてアンダーパーにまとめた。
秋のアジアシリーズには出場資格があったものの、エントリーは回避。体調を整えつつ、スイングやクラブの見直しに時間を使った“秋休み”だった。その間に松山英樹のスイング動画からヒントを得たり、ウェッジを替えるなど準備を進め、今大会で成果を示した。
「こういう安定したショットは本当に久しぶり。4日間を通してオフの練習の成果が出たと思う。あまりイメージが出ないコースだけど、しっかりとマネジメントができたし、難しいショットでもバーディトライが打てるような場所に置けたのは良かった」
この日は、同じ“新世紀世代”の山下美夢有が、ルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人賞)を獲得した。昨年は西郷自身が受賞した名誉あるタイトルだ。日本勢としては1990年の小林浩美を含めて史上3人目。しかも2年連続の快挙となった。
「私は難しかったけれど、美夢有ちゃんは難しくなかったんじゃないですかね(笑)。そもそも“ルーキーって言っていいのか?”っていう感じもあるけれど。私も含めて…」と“先輩”は笑う。
かつて日本ツアーで年間女王を争い、先月の国別対抗戦ではチームジャパンとしてともに日の丸を背負ったふたり。日本ツアー通算13勝を挙げ、史上最年少を含む2年連続年間女王という肩書きを持つトップ選手が、米進出時に“ルーキー”と呼ばれる不思議さも感じつつ、後輩の快挙を称えた。
「モノにするべきものをちゃんとモノにする、っていうのはステップアップとして大事だと思う。私も去年(新人賞を)獲れて良かった。獲れたからこそ、今年の結果もあると思う。一度しか訪れない、すごく価値ある賞です」
西郷は新人賞の肩書きとともに挑んだ今季、「シェブロン選手権」でメジャー初制覇&ツアー初優勝を成し遂げた。そんな充実の2025年も、来週の「CMEグループ・ツアー選手権」がラストマッチ。新人賞のトロフィーを掲げた地に、堂々とした姿で戻る。(文・笠井あかり)
関連リンク
