
<日本女子オープン 2日目◇3日◇チェリーヒルズゴルフクラブ(兵庫県)◇6616ヤード・パー72>
極度の不振からの脱出を目指す稲見萌寧が4バーディ・1ボギーの「69」で回り、トータル1アンダー・59位で予選を通過した。初日94位からの逆襲で、11試合ぶり(うち1試合は棄権)の決勝ラウンドとなる。
午前8時ティオフの午前組でのプレーで、、ホールアウト後は予選カットスコアがトータル1アンダーと2アンダーを行ったり来たりする展開に、「どうなるかな…」とやきもきしていたが、6月「アース・モンダミンカップ」以来の週末ラウンドが決まった。
「前半は取れるところで取って、耐えるところは耐えることができた。後半も粘れたし、まだミスは出るけど、ショットは少しずつよくなっていると思う」
出だし10番は2打目をベタピンにつける会心のショットでバーディ発進。15番のバーディは残り100ヤードをピン手前1メートルにつけたもので、ショットに本来の切れ味が戻りつつある。後半も終盤の7番パー5、最終9番でスコアを伸ばし、6月の「宮里藍サントリーレディス」第2ラウンド以来となる今季3度目の60台をマーク。予選通過圏内に滑り込んだ。
予選ラウンドの2日間は、ツアー通算50勝の不動裕理、2010、13年「日本女子オープン」覇者の宮里美香と回った。宮里とは昨年の「住友生命Vitalityレディス東海クラシック」第2ラウンドに続く2度目の同組。不動とは初めて一緒に回った。
「めちゃくちゃ楽しかったです。不動さんは本当に偉大な選手。いろいろお話しして、練習方法とかも聞かせてもらえました。すごくうまかった。宮里美香さんはショートゲームが上手で、ユーティリティもうまい。勉強になりました」
大会を主催する日本ゴルフ協会(JGA)の特別承認者枠で10年ぶりに出場した不動は、初日を「70」の43位で滑り出したが、この日は「76」と乱れ、トータル2オーバー・83位で予選落ちした。00年から6年連続で賞金女王に輝き、03年には年間10勝を達成。10月14日に49歳となるレジェンドの全盛期のプレーを、1999年生まれの稲見は当然ながらリアルタイムで見たことはないが、「不動さんの名前は心に刻まれています」と理屈抜きで心酔している。
「私の一番の夢は永久シード。その資格を持っている不動さんと回ることができて本当によかった」
ツアー176試合目で実現したレジェンドとの共演。濃密な2日間は、通算13勝目を挙げた23年「TOTOジャパンクラシック」を最後に遠ざかっている優勝に向けて動き出す、大きな一歩となるはずだ。(文・臼杵孝志)