
<ライダーカップ 2日目◇27日◇ベスページ・ブラックC(ニューヨーク州)◇7352ヤード・パー70>
欧州チームの勢いが止まらない。午後のフォアボール戦。米国チームは劣勢を覆すべく、世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーとブライソン・デシャンボー組を送り込んできたが、トミー・フリートウッド&ジャスティン・ローズの英国コンビが返り討ち。3&2で撃破した。
前半は米国チームにリードを許したが、7番でローズがバーディを奪ってタイにすると、12番でフリートウッドが2メートルを決めて2アップリードに。米国チームに付け入るスキを与えず、2ホールを残して勝利を決めた。
午前に続き、午後のマッチも欧州チームが3ポイント(pt)を獲得。欧州11.5pt、米国チームは4.5ptとその差は7ptになった。1979年大会に“米国VS欧州”のかたちとなって以来、過去最大のリードで最終日のシングルス12戦を迎える。
ここまでのMVPを挙げるとすれば、間違いなくフリートウッドだ。今年の米ツアー年間王者に輝いた34歳は、初日のフォアサムでマキロイとペアを組み、5&4の圧勝。同日午後もローズとのコンビで勝利を挙げ、2日目も2戦2勝と無敗を誇っている。
「僕の調子も良かったけれど、ジャスティン・ローズと一緒にコースに出て彼のプレーを間近で見られたことは最高だった」と親友の働きを絶賛。「どの1ポイントもとても大きな意味がある。ボードの得点を見て、今のところ我々は勝利に向かっている。この流れを継続させたい」と最終日を見据えた。
ライダーカップ史上、5勝無敗0分けで5ポイントを獲得したのは、1957年のガードナー・ディキンソン、1967年のアーノルド・パーマー、1979年のラリー・ネルソン(いずれも米国)、2018年のフランチェスコ・モリナリ(イタリア)、そして2021年のダスティン・ジョンソン(米国)の5人だけ。
5勝を挙げても賞はないが“マン・オブ・ザ・マッチ“と称され、歴史に名を刻むことになる。
連覇のかかる欧州チームは、最終日のシングルス戦でフリートウッドを2番手に配置。ジャスティン・トーマスと激突する。果たしてJTにフリートウッドの勢いは止められるか?(文・武川玲子=米国在住)