多彩なタイプのウェッジが発売され、ソール形状のラインナップも一段と充実してきた。今回は、ウェッジ選びに悩むゴルファーのために「性能早見表」を制作してみた。
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今回の表は、縦軸を「操作性」、横軸を「振る速さ」とし、ギアに詳しいプロ・追分浩一の試打インプレッションをもとに作成している。
「振る速さ」とは、重心距離の違いによって生まれる振り感のことだ。
「アプローチでヘッドを加速させながら速く振るタイプの人は、ヒール側に重さを感じる“重心距離が短い”ウェッジが合います。反対に、ヘッドを加速させず、一定の速さでゆったり振る人は、トゥ側に重さを感じる“重心距離が長い”ウェッジが合いやすいですね」(追分)
重心距離は、グリップを両手で挟んでヘッドを回すと、遠心力の大きさで体感できる。速く回るモデルは重心距離が短く、ゆっくり回るモデルは重心距離が長い。
次に「操作性」はソール形状が影響してくる。
「スピンでボールを止めるにはフェースを開く必要があり、その開きやすさは“バンス角”と“ソール幅”のバランスで決まります。操作性を求める人はローバンスで幅狭ソール。スクエアに構えて打つ人は、ダフリやザックリが出にくいハイバンスで幅広ソールが合います」(追分)
性能早見表を見ると、人気モデルそれぞれの特徴が見えてくる。売れ筋上位の『ボーケイSM10』は、どのソール形状も振る速さは平均的。表の上部に位置する『Tグラインド』は操作性が高くフェースが開きやすいが、下部の『Fグラインド』はミスに強く、スクエアに打つタイプ向きといえる。
女子プロに人気のクリーブランド『RTZ』は、表のやや左側に位置し、重心距離が長めでゆったり振れるモデル。山下美夢有が使う『RTZ LOW』は、フェースを開いて使える操作性重視のタイプだろう。
一方、売れ筋の中で意外だったのは『OPUS』。すべてのモデルが表の右側に位置し、重心距離が短く、速く振るタイプと診断される結果になった。その中で、ソール形状によってマニュアルタイプとオートマタイプに分かれている。
ぜひ、この性能早見表をウェッジ選びの参考にしてほしい。
【試打リスト】
★マニュアルタイプ(Aタイプ、表の緑色)
キャロウェイ:OPUS Tグラインド
クリーブランド:RTZ LOW
フォーティーン:FRZ Tソール
タイトリスト:ボーケイ SM10 Tグラインド
★万能タイプ(Bタイプ、表の青色)
キャロウェイ:OPUS Cグラインド
クリーブランド:RTZ ADAPT
コブラ:KING Vグラインド
コブラ:KING Aグラインド
フォーティーン:FRZ Sソール
フォーティーン:FRZ Hソール
キャスコ:ドルフィン DW-125G
タイトリスト:ボーケイ SM10 Sグラインド
タイトリスト:ボーケイ SM10 Mグラインド
テーラーメイド:MG4 LB
★セミオートマタイプ(Cタイプ、表の紫色)
キャロウェイ:OPUS Sグラインド
クリーブランド:RTZ MID
コブラ:KING Dグラインド
コブラ:KING Wグラインド
ミズノ:Mizuno Pro T-1
ミズノ:Mizuno Pro T-3
ブリヂストンゴルフ:BITING SPIN
ロイヤルコレクション:BB PLUS
タイトリスト:ボーケイ SM10 Kグラインド ローバウンス
タイトリスト:ボーケイ SM10 Dグラインド
テーラーメイド:MG4 SB
★オートマタイプ(Dタイプ、表の赤色)
キャロウェイ:OPUS Wグラインド
クリーブランド:RTZ FULL
フォーティーン:FR-5
プロギア:PRGR 0
ピン:BunkR
タイトリスト:ボーケイ SM10 Fグラインド
テーラーメイド:MG4 HB
■試打・解説:追分浩一
おいわけ・こういち/ショートゲームの理論に精通するティーチングプロ。スイングとクラブのマッチングをもとにしたフィッティングに力を入れている。
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