
「スタンダード・ポートランドクラシック」で岩井明愛が米ツアー初優勝を飾った。彼女の各番手の打痕を調べてみると、驚くべき傾向が見えてきた。その詳細をレポートする。
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岩井明愛のドライバーや3Wの打痕はほぼ芯に集まっているが、他の女子プロと比べるとわずかにヒール寄りに偏っている。ドライバーにはティーペグ跡もヒール寄りについており、その傾向は顕著だ。これはどういうことなのか? クラブフィッター・吉川仁氏に聞いてみた。
「ドローヒッターはインサイド・アウト軌道で振るので、一般的にはトゥ寄りに当たるケースが多いです。一方、アウトサイド・イン軌道で振るフェードヒッターはヒール寄りに当たりやすい。明愛プロのようにドライバーでドローを打ちながら打点がヒール寄りになるのは、ストレートに近いインアウト軌道に入れて、軽いドローが打つのだと思います。トゥ寄り打点だとギア効果でドロー回転が強くかかり、曲がりすぎるリスクがあるのでしょう」
逆に3Wだと、ダウンブローからレベルブローに入れて、ヒール寄りに当てながら、スピン量を増やしている可能性があるという。
アイアンは、スコアライン下から5本目付近に打痕が集まっており、強いダウンブローでボールを捉えていることが分かる。UT代わりに使用する飛び系の5番アイアンは、スコアライン下から4本目付近に集中。クラブが長い分、やや払い打ち気味になっていることがうかがえる。
いずれにせよ、これほどどの番手でも打点が一点に集中しているのは驚異的だ。アマチュアは、まずは自分のクラブフェースを確認し、打点やミスの傾向を把握することが、スイング修正の第一歩となるのかもしれない。
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