「TikTok で調べて」、「信頼して」、「万が一があったら…」 クマ出没に揺れた大会…実際にプレーした選手たちの心中は?

<明治安田レディスゴルフトーナメント 初日◇18日◇仙台クラシックゴルフ倶楽部(宮城県)◇ 6642ヤード・パー72>

クマの出没により、一日遅れで開幕した国内女子ツアーの新規大会は、無観客と雰囲気は普段と異なったが、無事、第1ラウンドが終了した。まるで異例の大会の号砲かのように、早朝5時には爆竹が打ち鳴らされるなど、コースには安全対策が張り巡らされた。
選手たちに話を聞くと、普段の大会とは異なる心中や準備の話も出てくる。午前6時30分にスタートした第1組のひとり、ルーキーの都玲華は、いざラウンドが始まると「忘れてた」と笑ったが、前夜はクマに遭遇した際の対処法を“予習”。「一応、調べたんです。TikTok で、クマに遭遇したら大きい声を出したらダメというのを見つけて、じっとしてたほうがいいって。だからキャディさんにも、大きい声は出さないでって伝えました」。あとは同組の中村心、上久保実咲と話しながらの楽しいラウンドに笑顔が弾けた。

「大会をしてもらえるだけありがたい。クマも出なかったし」。伸ばし合いの大会で36位タイというスタートにはなったが、3アンダーと上々の滑り出し。午前3時30分起きで、「ほぼ初めて」という6時台スタートの一日を終え、2日目は午後組でプレー。一気にリーダーボードを駆け上がりたい。

明治安田所属の勝みなみは、「いろんな方が関わって決定したことで、それだけ安全性が確保されて開幕してる。私は信頼をして、きょうはゴルフをしてました」と話す。猟友会が見回りをするなど対策にも安心感を抱き、プレーを続けていく。

小祝さくらは、“万が一”の際、「(クマの対処法を)調べると『逃げるな』とか“イチかバチか”のことしか書いてなかった。実際に遭遇したら…多分、逃げちゃいそうだし、そんな判断はできないかも」というのが心配の種。北海道出身とあって、クマの対処法は小さい頃から教えられているそうで、「子グマは気をつけろって言われてました、親グマがいるから」とも。それでも「スタートしたら感じなかった」と、こちらもプレーに大きな支障はなかったようだ。

河本結は「言葉を選ぶのが難しい」と前置きしたうえで、「この状態で試合をやっていいのか。万が一があったら、選手生命にも影響する可能性もある」と葛藤した様子を明かす。それでも開催が決まった日には日本女子プロゴルフ協会に、対策などを問い合わせ、納得。「難しい判断だったと思うし、選手はやるしかない。私はクマに対応することも考えて。いろんな考えがあると思う」と、向き合っている。

第1ラウンド終了後には、大会から報告書も出され、クマの出没情報がなかったことも発表された。17日には富谷市内のコースからほど近い場所で子グマの目撃情報もあったが、コース内での居住性は確認されておらず、そのうえで対策を施し、開幕に至った。19日以降も安全対策は続けていく予定で、選手の職場はしっかりと守られる。(文・間宮輝憲)

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