なぜゴルフは“雨天キャンセル”が当たり前になっていたのか? キャンセル代徴収の波が押し寄せている今、あなたはどうする?

好んで雨の日にゴルフをしたいと思う人はあまりいないだろう。雨の降り具合にもよるが、基本的には「キャンセルで」となる人が多数派だ。しかし、そもそも屋外でプレーすることが前提のゴルフにおいて、なぜキャンセルが当たり前になっていたのか? 昨今では、キャンセル代を徴収するコースも増えているが……四六時中ゴルフ漬けのロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典は語る。
つい先日、雨を覚悟してゴルフをしました。色々な条件が重なったからでしたが、一番大きい理由は1年以上使用していないレインウェアが痛んでいないかをチェックしたかったからでした。結果として、雨具はフルに性能を発揮してくれて、快適に雨ゴルフができました。

プレーしながら、『雨なのに来場者が多い』と気がつきました。そのコースは、天気予報が雨だと予約者の約8割がキャンセルになると以前に聞いたことがありましたし、実際に、雨の日にプレーすると休日なのにガラガラで数組しかプレーしていないことが以前に何度もありました。ですが、その日は同じコースなのに、満員御礼まではいかないとしても、たくさんの来場者が雨ゴルフを楽しんでいたのです。

コーススタッフに確認すると、今年に入ってからキャンセルが明らかに減っており、雨でもプレーする人が増えていて、その日は記録的にキャンセルが少なかった、ということでした。

気になったので、他のコースにも取材をしてみましたが、大なり小なり、キャンセルが減ってきた傾向があるという反応でした。「昨年秋から、PGM(パシフィックゴルフマネージメント。日本最大のゴルフコース管理運営会社)がキャンセル代を徴収するようになったのが大きく影響している」という意見も複数聞きました。

プレー当日から7日前までだとプレー代の半額、無断キャンセルは100パーセントのキャンセル代が発生するというパターンが復活する流れが急に強くなっているようです。「体調不良なのに」「仕事が入ったと説明したのに」「身内に不幸があったのに」……。コースがクローズしない限り、キャンセル代は理由にかかわらず発生します。

納得できない、と憤っている人たちもいるようですが、旅行と同じだと考えれば、そんなにおかしな仕組みを強制させられているわけではないのです。

コースによっては4人1組で予約して、1人欠席の3人でラウンドしたら、会計時に1人分のキャンセル代を代表者に請求されるということもあるようです。予約する際に、ちゃんと細かい条件まで確認する癖をつける必要がある時代が復活してきたのだと、少し懐かしさを感じました。

せっかく増えてきたゴルフ人口が減ってしまう時代錯誤の悪い慣習の復活を許すな、という意見もあります。この問題への対応は単純です。嫌ならキャンセル代の設定がないコースに行けば良いだけなのです。当面は、そういうコースもたくさん残っていますので、苦労はしないはず。将来的に、全てのコースがキャンセル代を徴収することになったら、ゴルフをやめれば良いのです。

面白くて、楽しくて、代わりが利かないゴルフを人質にとって、金の亡者がキャンセル代でセコい商売をしていると嘆いても、何も変わりません。裏を返せば、自分勝手な理由で無邪気にキャンセルする甘い考えも、相当な悪であり、因果応報だともいえます。

ゴルフは正直者が自らを審判することで成り立つゲームであり文化でもあります。確実な正解は、どんな理由でもキャンセルしない、約束は必死になって守る、という誠意。覚悟を持って実行できれば、スッキリ解決するはずです。(文・篠原嗣典)

篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験しゴルフと恋愛のために生きると決意。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」。

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