
ドルトムントは3日、トップチームに所属するU-21イングランド代表ジェイミー・バイノー・ギテンスについて、チェルシーへの完全移籍で原則合意に至ったことを明らかにした。
現在、ドルトムントとチェルシーはアメリカ合衆国で開催されているFIFAクラブワールドカップ2025に参戦中。関係各所は3日、フロリダ州フォートローダーデールにて会談の機会を設け、基本合意に達したという。契約の詳細は現在調整中だと伝えられたが、バイノー・ギテンスのチェルシー行きが決定的となったのは確実だ。
バイノー・ギテンスのチェルシー移籍基本合意を受けて、ドルトムントのラーズ・リッケンCEO(最高経営責任者)がクラブを通してコメントを発表。クラブ哲学を貫く今回の移籍を喜ぶとともに、バイノー・ギテンスへの感謝と将来へのエールを送った。
「ジェイミー・ギテンスのキャリアは、ドルトムントにおけるトップ選手の育成を象徴するものとなっている。我々は非常に早いタイミングで彼を発見し、無償に近い金額で契約を結んだ。その後、アカデミーレベルで継続的な育成をしてきただけでなく、最高レベルのプロフェッショナルな舞台でのプレー機会も提供してきた。ジェイミーは、その信頼に献身的な姿勢、パフォーマンス、そしてゴールで応えてくれた。彼の母国への移籍は、我々にとって非常に価値あるものとなる。ジェイミーのスポーツキャリアの未来が明るいことを願っている」
また、セバスティアン・ケールSD(スポーツ・ダイレクター)もクラブを通して、「チェルシーとの交渉は困難を極めたが、最終的に我々の期待を実現することができた。計画の安定性を確保できる見込みであることを喜んでいる。ジェイミーは我々に大きな喜びをもたらした優れた選手。彼自身はキャリアの次のステップをチェルシーで踏み出すことを望んでいた。我々は彼の最良の未来と将来の大きな成功を願っている」とコメントを発表した。
なお、現時点でチェルシー側からの公式発表はされていないものの、イギリス『BBC』など複数のメディアによると、バイノー・ギテンスはチェルシーと2032年6月30日までとなる7年契約を締結する見込み。移籍金は5500万ポンド(約110億円)ほどだと報じられている。
バイノー・ギテンスは2002年8月8日生まれの現在20歳。イギリス・ロンドンの出身で、幼い頃にはチェルシーやレディングのユースに在籍した経歴を持っている。14歳でマンチェスター・シティの下部組織に加入した後、2020年9月にドルトムントのアカデミーへ完全移籍し、2022年4月にトップチームデビューを飾った。
ドルトムントのトップチームではこれまで行われた公式戦107試合のピッチに立ち、17ゴール14アシストをマーク。持ち前のスピードと得意のドリブルを武器に左ウイングを主戦場として活躍を続け、2024-25シーズンは(FIFAクラブワールドカップ2025を除いて)公式戦48試合出場で12ゴール5アシストを記録した。しかしながら、今年2月のニコ・コヴァチ監督就任以降はスタメンを外れる機会も少なくはなく、幼少期に在籍経験のあるチェルシー復帰を熱望。今回、ドルトムント側より基本合意が伝えられた形だ。
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