
7月2日、ヨネックスの新製品発表会が開催され、契約プロである鍋谷太一がトークショーに登壇した。そこで彼は、「人生を変えた」と語るギアについて話してくれた。
鍋谷は、大阪学芸高1年時の2012年に『関西ジュニア』で優勝し、その年のQTにも挑戦。16歳でプロ宣言した彼は、その後のプロ生活で苦労を重ねてきたという。
「(2019年の)23歳で結婚したのですが、2022年までなかなか結果が出ず、レッスンなどもしながら生活していたんですよ。そのとき、これでダメなら試合で戦っていくのは難しいだろうと思い、それまでレッスンプロだった父に習っていたのを辞めて、コーチを替え、一からスイングを作り直しました。2年で結果が出なければ、ゴルフを辞めて違う仕事をしようと考えていました」
鍋谷は2022年シーズン、開幕戦6位など活躍して、ついに自身初のシード権を獲得。そのときに出会ったのが、現在も使用しているヨネックスの軟鉄鍛造アイアン、『EZONE CB301 フォージド』である。
「コーチと相談しながら、自分に合ったクラブを探して、今のアイアンに替えました。普段はあまりクラブを替えないタイプなのですが、当時はいろいろなクラブを試して、やっと出会えた一本です」
アイアンを替えたことも、シード獲得のターニングポイントになったと鍋谷は語る。「めぐり合わせだと思います。もう顔が本当にいいんですよ。10人いたら、ほぼ10人が『めっちゃいい顔』というと思います。リーディングエッジとトップラインが真っすぐで、グースも入っていないので構えやすいんです」。
抜けの良さも気に入っているポイントの一つ。「リーディングエッジ側が若干削られているのですが、抜けがすごくいいです。打感も柔らかくて、スピンがしっかり入る。弾道もコントロールしやすくて、全体のバランスがとても良く、操作性に優れています」。
これまでクラブ契約はフリーだった鍋谷だが、今季からヨネックスと正式に契約を結んだ。アイアンの性能に惚れ込んでの契約だったが、現在ではドライバーにも大きな信頼を寄せる。今季から『EZONE GT MAX』(10.5度)をキャディバッグに入れている。
「飛距離が伸びて、コントロール性能も高いので使用しています。スピンが適度に入り、打感が柔らかくて振りやすいんです。僕は柔らかい打感の方が好きで、弾く感じがないぶん、ボールをしっかり押していけるんですよ。高弾道でキャリーがしっかり出るイメージですね」
高MOI(慣性モーメント)設計のモデルで、弾道のコントロールがしやすいのが特徴だという。
「このタイプは重心角が大きくて、つかまりがいいんです。僕はフェードが得意なので、あえてドローを打ちやすいクラブを選びました。フェードはたいていのクラブで打てますが、ドローを打ちやすいクラブであれば、弾道を打ち分けられるんです。フェアウェイキープ率も上がっていますね」
シャフトにはヨネックスの『レクシスカイザ H 6X』を採用。先端側の剛性を高め、方向性と操作性の高いモデルだ。
「癖がなくて、とても扱いやすいんです。以前は『ベンタス』を使っていましたが、遜色ありません。本当に癖がないので、弾道のコントロールがしやすいんです」
人生を変えてくれたというアイアンと、新投入したドライバーを武器に、鍋谷が2勝目を挙げて笑顔を見せる日が待ち遠しい。
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