
EVメーカーは数あれど、人気のEVブランドと言えばテスラで、実際に街中でもかなり見かける。テスラの中核に位置するのがモデルY。5ドアセダンとSUVのテイストをうまくミックスしたキャラクターは、使い勝手だけでなく、デザイン性においてもテスラらしさにあふれている。そのモデルYが大幅な改良を受けて登場した。その実力はいかに?
■大幅改良でモデルYの魅力がさらにアップ
まずは見た目が大きく変わった。もちろんコンセプト自体は変わらないが、先行して改良を受けたモデル3、さらには超個性的なデザインで話題になったサイバートラックのエッセンスもプラスされていて、フロントはシャープな目つきなどで精悍さをアップ。リアも左右をつなぐテールランプなど、テスラらしい未来感を演出している。
グレードはひとつのモーターで後輪を駆動するRWDと、前後にモーターを搭載して4輪を駆動するロングレンジAWDのふたつ。パワーなどだけでなく、航続距離も異なっていて、RWDが547km、AWDが635kmとなる。また、価格は前者が558万7000円、後者が647万6000円。どちらもCEV補助金の対象で87万円が付く。さらに各自治体からも補助が用意されていることが多く、合わせると400万円台となるから、価格面の魅力もかなり大きい。
■これがテスラ流、なにもないけど使い勝手よし!
テスラの運転席まわりを初めて見ると衝撃的だ。ひと言で表すと「なにもない」で、すべての機能は一部を除いてセンターにある15.4インチのディスプレイに集約されていて(一部はステアリングのボタンとレバー)、超が付くほどのシンプルさ。だからといって使いにくさはなく、あちこち見たり押したりがない分、慣れてしまえば使い勝手は上々だ。
肝心のシートの座り心地はかなりいい。大ぶりになったことでさらにゆったりと座れて快適に移動することができる。電動車ならではの滑らかな走りも相まって、フィーリングは高級車そのもの。長距離もなんなくこなす実力の持ち主で、テスラの人気を支えている理由のひとつだろう。
そして気になるラゲッジはというと、こちらもEVのメリットを活かしたテスラらしいものとなっている。まず後輪駆動とはいえ、ラゲッジの床はかなり低くて積み下ろしはとても楽。しかも後席をたたむと2138Lもの大容量となる。ただ、実際は倒さずとも、ラゲッジフロアは2段になっていてフロアを外すとさらに下にスペースが出現。そこにゴルフバッグを立てて積むことができる。ボストンバッグをその上に乗せてもいいし、フロントのボンネット内はもちろんエンジンなどはなく、ここにもスペースがあるので、こちらに入れておけばいいだろう。
■モーターならではのメリットを最大限楽しめる走り
テスラの骨格は簡単に言うと、バッテリーを内蔵したフラットな板の上にボディを載せているのが特徴。それゆえ、コーナーで車体がきしむ感じなどは皆無で、がっちりかつしっかりとした走りを楽しむことができる。もちろんモーターならではの力強さ、静かさ、そして滑らかさは毎度のもので、上質さにはいつも感心するばかりだ。
またロングレンジAWDの場合、前後のモーターを合わせると514馬力という、スーパーカーレベルのスペックを誇るだけに、アクセルを踏み込むと強烈な加速を楽しむことができるが、もちろんあえて踏めばの話で、普段の味わいはあくまでもジェントルな感じで、テスラらしい走りは健在だ。
Tesla Model Y Long Range AWD
◆全長_全幅_全高:4800×1920×1625mm ◆車両重量:1990kg ◆モーター種類:(前/後):ACインダクションモーター/AC永久磁石同期モーター ◆最高出力(前/後):158kW(215ps)/220kW(299ps) ◆最大トルク(前/後):240N・m(24.5kg-m)/350N・m(35.7kg-m) ◆ミッション:─ ◆WLTCモード一充電走行距離:635km ◆定員:5人 ◆価格:647.6万円
文・写真/近藤暁史【MUSHROOM】
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