モットーは「答えが出るまでやる」 “賞金王”狙う生源寺龍憲が自身初の72H決着でツアー2勝目

<JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 最終日◇29日◇西那須野カントリー倶楽部(栃木県)◇6956ヤード・パー71>

「めちゃくちゃ気持ちよかったです。溺れそうなぐらい水を浴びました(笑)」。生源寺龍憲がトータル23アンダーで今季開幕戦の「東建ホームメイトカップ」に続くツアー通算2勝目を飾った。
開幕戦は悪天候により最終日が中止となり、54ホールでの決着となった。今回は自身初の72ホールを戦い抜いての優勝とあって、自然と笑みがこぼれる。強い日差しが照りつける中、最終ホールでは堀川未来夢ら仲間たちからウォーターシャワーを浴び、最後は“グータッチゾーン”で多くのギャラリーから祝福を受けた。
首位を1打差で追う最終日は、ボギーなしの6つのバーディを奪い「65」をマーク。「前半でバンカーに3回入って、全部サンドセーブできて良かったです」と振り返るように、要所でピンチをしのぎながらスコアを4つ伸ばして折り返した。しかし、首位と5打差でスタートした大岩龍一が前半からバーディラッシュ。15番を終えた時点で、トータル22アンダーで並ぶ展開となった。「しっかりチャンスにつけて、決めることを意識していました」と、その時の心境を明かす。

勝負を分けたのは16番パー4。2メートルのバーディパットを沈めて単独首位に浮上。さらに17番では「微妙な横からのスライスライン」もきっちり沈めてパーセーブ。ここで再び並ばれることなく、最終18番もピンそばに寄せるショットでギャラリーを沸かせた。バーディこそ逃したが、優勝が決まった瞬間、両手を高く掲げて大きな拍手を浴びた。
開幕戦の勝利後は、「日本プロゴルフ選手権」でのプレーオフ惜敗を含めて、5試合連続トップ10入り。いつ2勝目が来てもおかしくない状況だった。「東建のあと、勝てそうで勝てない試合が続いていたし、今回は4日間しっかり戦って勝ちたいと思っていました。日本プロではバックナインで伸ばしきれない部分もありましたけど、今週は落ち着いてプレーできました」と、今大会は悔しさをバネにしたリベンジとなった。

今季は「日本ツアーでの目標がランキング1位を獲ってアメリカへ行く」と来年の米国男子ツアーに出場するための最終予選会に出るために国内の賞金ランキング1位を狙っている。今回の優勝で1000万円が加算し、現在の獲得賞金額は6219万218円となり、2位の小西たかのりに1483万4580円の差をつけてトップに立った。昨年は「去年は優勝以外どうでもいい」と思っていたが、海外志向が強くなり「いまは少しでも上の順位でフィニッシュしてどんどん賞金を積んでいきたい」と意識も大きく変わった。
だからこそ、「(出場できる海外の)試合があれば行きたい」と思う気持ちは強い。この日、生源寺は7月3日からモロッコで開催されるアジアンツアー「インターナショナルシリーズ・モロッコ」への出場に向けて出発した。「どんどん外のフィールドへ、いろんな選手がいる試合に行きたい。スケジュールはハードかもしれないけど、どんどん挑戦を続けて自分の経験値を積んでいきたい」と話す姿に迷いはなかった。

生源寺のモットーは「逃げないことです。自分の課題、やらなきゃならないことに。答えが出るまでやる」ということ。これまでも、どんなに高い壁が立ちはだかっても、「(逃げたことは)ないです。だからいま、こうしてどんどん成長していけていると思います」と強く言葉にした。「今年はもっと優勝したい。ランキング1位で最後まで行きたいです」。いま、日本男子ツアーの賞金王に最も近い存在が、力強く名乗りを上げた。(文・高木彩音)

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