“服役明け”カブレラがマスターズに復帰「人生にもう一度チャンスが与えられた」

<マスターズ 事前情報◇8日◇オーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)◇7555ヤード・パー72>

刑務所で服役を終えた選手が“神聖な”オーガスタに戻ってきた。2009年「マスターズ」覇者のアンヘル・カブレラ(アルゼンチン)が、6年ぶりに出場する。

2021年に元恋人への暴力などにより有罪判決を受け、30カ月の服役。23年8月に仮釈放され、同年にはPGAツアーの出場停止処分が解除された。昨年2月から米シニアツアー(PGAツアーチャンピオンズ)に復帰。様々な段階を経て試合を重ね、歴代優勝者としてオーガスタに帰ってきた。

オーガスタ・ナショナルGCのフレッド・リドリー会長は昨年、カブレラについて聞かれたとき、「偉大なチャンピオンのひとり」として歓迎すると答えていた。昨年はビザ査証の問題で出場はかなわなかったが、それがやっと現実になった。収監時にはゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)からもサポートを受けていたという。

「ただ、物事が過ぎていくことに身を任せているだけで、戻ってくるとも戻ってこないとも考えたことはない。人生にもう一度チャンスが与えられた。このセカンドチャンスでは“正しいこと”をしたい」

刑期を終え、第二の人生を歩んでいるカブレラ。“出場するべきではない”という批判があることは、理解している。

「5年ほどすべきでないことをしていたときがあった。でも、それより前はしていたわけではない。自分が正しいと思うことをやり続けるしかない。誰もが自分の意見を持っているし、批判的な意見も尊重する。ボクはマスターズで勝った。なぜダメなんだ?」

先週の「ジェームズ・ハーディ・プロフットボール殿堂招待」では米シニア初優勝を飾り、勢いに乗った形でオーガスタ入り。「調子を取り戻すためにたくさん練習をした。技術的に戻ったかは分からないけれど、この時のために多くの準備をしてきた」。開幕2日前に行われるチャンピオンズディナーにも出席。グリーンジャケットに袖を通し、その喜びをかみしめた。

「起こったことは後悔しているけど、そこから学んだ。これらは過去のことで、これからのことを前向きに考えなければならない」。新たな歩みを進めているカブレラにとって、21回目のマスターズはより大きなターニングポイントになる。(文・笠井あかり)

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