今季3勝の桑木志帆の14本を分析! 8年愛用のアイアンはなぜ替えない? スピン量を抑えるシャフト選びとは?

今季3勝を挙げて一躍トッププロの仲間入りを果たした桑木志帆。彼女のセッティングを撮影すると、面白いスペックを発見。その詳細をレポートしたい。

ドライバーでは『Bリミテッド B1 LS』ヘッドに『ディアマナBB 53S』シャフトを採用。相当ハードなスペックだが、そんな彼女のクラブについて、クラブフィッターの吉川仁氏に詳しく分析してもらった。

「フェードヒッターで、スピン量が増える傾向があるのでしょう。それをいかにコントロールするかが彼女のクラブ選びのポイント。だから、スタンダードなクセのない中元調子シャフト『ディアマナBB 53S』を使用しているのだと思います。浅重心の『Bリミテッド B1 LS』ヘッドとの組み合わせでスピン量を適正化していますね」

3Wもかなりディープフェースの『B1ST』ヘッドと、ドライバーと同じ『ディアマナWB 53S』シャフトを使用している。「3Wのロフトが14.5度と立っているので、一般のアマチュアだと球が上がらないと思います。彼女は上から入れてスピン量が増えるので、このロフトでも球が上がるのでしょう。シャフトを中元調子にすることで、弾道高さをコントロールしています。ドライバーより3Wは短いぶん、球がつかまるので、先端が硬いシャフトで左へ行くミスを防いでいるのでしょう」。

3・4Uでは『B2HT HY』(19・22度)ヘッドに『LIN-Q ブルー HY 75S』シャフトを採用。「中元調子でけっこう硬いシャフトです。ハイブリッド用だけど、アイアンに近い感覚で打てると思います。中元調子系なのでアイアン的にクラブを振り遅らせて打ちたいのでしょう。しなり戻ってヘッドが下から入るミスを防ぎたいのだと思います」

桑木のギアで有名なのが、アマチュア時代から使用するアイアン『ツアー B X-CB 2016』。もう8年以上もバッグに入っている代物だ。

「強烈なダウンブローで打ちますが、長年愛用する高重心モデルだと芯で捉えやすいのだと思いますね。リーティングエッジ側とトレーディングエッジ側を削ったソールなら、打ち込むミスを防げるんです。また、手元で粘ってくれる『N.S.PRO 850GH』シャフトを使うことで、鋭角に入るミスも緩和してくれますね。古いモデルを使い続けるのは、プロの振る感覚とそのクラブの飛距離性能がピッタリ合っていて、距離感が体に染み付いているからでしょう。だから、手放せないのだと思います」

吉川氏は桑木のシャフト選びのポイントは、先端剛性だと指摘する。「レイドオフのトップから振り下ろしますが、カット軌道が強すぎるとフェース向きとヘッド軌道の差が出やすい。ロフトが少し増えたり、ヒール側に当たってスピン量が増えてしまいます。だから、全体的に先端剛性の強いシャフトでスピン量を抑えているのでしょう」。

パワーフェードで今季3勝を挙げた桑木。スピン量を最適化させるセッティングで、勝利を手繰り寄せたのだろう。

【桑木志帆のクラブセッティング】
1W:ブリヂストン Bリミテッド B1 LS(9度/ディアマナBB 53S)
3W:ブリヂストン B1ST(14.5度/ディアマナWB 53S)
3・4U:ブリヂストン B2HT HY(19・22度/LIN-Q ブルー HY 75S)
5I~ PW:ブリヂストン ツアーB X-CB 2016(N.S.PRO 850GH S)
48・52・58度:ブリヂストン BRM2(N.S.PRO 850GH S)
PT:ピン PLD ミルド アンサー 2
BALL:ブリヂストン ツアーB X

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