1ダース約1万円!? 『PRGR PREMIUM』ボールは価格に見合う結果が出せるの?

ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。
PRGRは、『PRGR PREMIUM』ボールを2024年9月13日に発売。『PRGR PREMIUM』は、「飛び」と「打感」を追求した高価格帯ボールです。ゴールドに輝く『PRGR』のロゴが高級感を醸し出しています。

“飛距離とソフトなフィーリングを追求したプレミアムディスタンスボール。”というコピーです。ケースやボールのポールプリント(ロゴマークから90度のサイドにあるプリント)を見ると、『DISTANCE』の文字がありますし、箱には、『DISTANCE Spec』と明確に書かれています。つまり、飛ばす気満々のボールなのです。

『PRGR PREMIUM』の注目したテクノロジーは、「高反発スーパーソフトラージコア」です。3ピース構造のボールのほぼ全ての性能はコアで決まると断言する人がいるほど重要です。このコアについて、メーカーは詳細な説明をしていませんが、最適に変形し、高初速、高打ち出し、低スピンで飛距離をアップさせると明言しています。

メーカーの公式サイトで1ダース1万円近くする高価格帯ボールです。価格に見合う結果が出なければ、信頼を失ってしまうのは世の中の常。新しいコアが機能しないわけがないと考えてしまうのです。

PRGRは、タイヤの横浜ゴム系列のメーカーです。ゴム屋のことはゴム屋に、という格言がゴルフ用品業界には古くからあります。素材も、構造も、逆に、秘密のテクノロジーと言うことなのかもしれません。ワクワクしながら、『PRGR PREMIUM』の試打ラウンドに突入しました。試打した日は、気温は24℃~34℃。微風。グリーンは8.5フィートの速さでした。
【打感・打ち応え】
『PRGR PREMIUM』の打音は、音量はちょうど良い大きさで、音質は濡れた鞭系で残響が響く渋い音です。打ち応えは、かなりやわらかく、手応えは敏感で、芯感は澄んだクリア感を楽しめます。
【弾道・球筋・スピン性能】
『PRGR PREMIUM』の弾道は低めの高弾道で、棒球独特の軌跡を描きます。ボールの曲がりには鈍感ですが、小さなフェード、ドローは気持ち良く打てます。スピン性能は、ウッドは低スピン。アイアンは短くなるほどスピンが効くようになり、その場で止まろうとします。
【距離性能】
『PRGR PREMIUM』は、トップレベルに飛距離が出るボールです。ドライバーの最長飛距離250ヤード。ドライバーからアイアンまで、しっかり距離が出ます。スピンにかんして、本当に良く出来ていると感心しました。
【ロマン派ゴルフ作家語る】
『PRGR PREMIUM』は、高額な値段だけの価値が十分にあると感じました。ちょっと注意したいのは、僕のヘッドスピード40m/sが使用上限だと感じることがあったということです。つまり、ヘッドスピードが30m/s台のゴルファーのほうが、もっと高機能を発揮してボールを飛ばせるかもしれない、ということなのです。

飛距離はお金で買える時代になったと言われて久しいですが、『PRGR PREMIUM』は挑戦的で、細部までこだわったのだとわかるボールです。

ボールの発色が美しく、カメラでボールをアップにすると光りすぎて白飛びして、ゴールドのロゴが写せない、という現象が起きました。肉眼でも真珠のように輝くのがわかります。

また、DISTANCE系であることを謳いながらも、前面に出していない部分も好感を持ちました。バージョンではなく、スペックというネーミングセンスは、PRGRの真骨頂です。パッケージもほぼ真っ白で、何も言わなくともわかるでしょ? という感じです。

ドライバーは低スピンで、ショートアイアンは高スピンというのは矛盾していますが、お見事に自然に打ち分けられます。特にウェッジのスピン性能の高さは拍手ものでしたし、打音もショートゲームになると急に高音の良い音になるところも、ツアーボールのようで素晴らしいと感じました。

『PRGR PREMIUM』は、飛距離特化型のボールではなく、バランス良く出来ていて、スコアを安定させるボールとして完成しています。パワーヒッターではないけれど飛ばせて、スコアも出やすいボールが欲しいゴルファーに、『PRGR PREMIUM』をオススメします。

『PRGR PREMIUM』は、高額な価格帯のボールです。廉価なボールの3倍の価格です。機能として3倍の結果が出るのか? と考えてしまう人もいると思います。わかりやすい例で言えば、飛距離は3倍も違うわけはありません。スコアも、3分の1になるわけはありません。

しかし、廉価なボールにはないプラスポイントが確実にあります。あと1ヤード飛べば越えたはずの池越えのショットを想像してください。廉価なボールでは、スーパーショットをしなければクリアできないのに、『PRGR PREMIUM』ならミスショットでなければクリアできるのです。こういうシーンは、ゴルフにはよくあります。この差が、価格が3倍になる秘密なのです。

そういうことを簡単に書くと、良いスコアが出やすいボールということになります。『PRGR PREMIUM』は、使う勇気を試されるボールです。
『PRGR PREMIUM』

構造 3ピース
コア 高反発スーパーソフトラージコア
インナー スーパーソフトインナーカバー
カバー 高反発アイオノマーカバー
ディンプル 330
カラー ホワイト
【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」

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