亡き恩師に捧げるプロテスト合格 現役女子高生プロ・福田萌維が明かすちょっといい話

<JLPGA新人戦 加賀電子カップ 初日◇4日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6589ヤード・パー72>

プロテストに合格した選手たちによる、一生で一度のタイトルをかけて雌雄を決する恒例の新人戦。現役高校生で一発合を決めた福田萌維(ふくだ・めい)が、2アンダー・5位タイで初日を終えた。

6バーディ・4ボギーと出入りの激しいゴルフとなったが、「たくさんバーディを取るのが自分のゴルフ。その分ボギーも多いので、いつも通りの自分」と初日を振り返った。

福田にバーディの詳細を聞くと、キャディバッグの中からおもむろに小さなメモ帳を取り出した。ヤーデージブックにメモを書き込むことはあるが、それとは別にメモを取る選手は珍しい。詳しく話を聞いてみると、高校一年生の頃からメモを取り続けているという。毎ホール、ティショットの方向やセカンドの番手などを記録。さらにパッティングでは狙ったところに打ち出せたら「◎」をつけている。このメモをお父さんに見せるとエクセルでまとめてくれるそうで、そこから練習の計画を組み立てている。

そして今の課題はパッティング。「狙ったところにしっかりストロークをしていくことを課題にしています」。ちなみに、初日のラウンドでついた「◎」は3つと厳しい自己評価となった。

現役高校生ながらプロテストに一発合格を果たした福田だが、その転機は9月の「日本女子オープン」にあった。メジャーという大舞台を経験したからこそ「堂々とプレーができた」こと、そしてその時のキャディからのアドバイスで一気にゴルフ脳も鍛えられたことが合格に近づいたと話す。

「その時、良いキャディさんについてもらうことができて、(ゴルフの)考え方が違ったり、歩き方、プレー以外で考えていることも違う」。そのキャディとのラウンドは目から鱗が落ちることばかり。最終的には22位タイと結果もついてきた。「あの試合で成績を出せたことは、もう怖いものはない」。今まで持ち合わせていなかった“ゴルフ脳”に、メジャーで戦えた自信。この一試合で得たものは想像以上に大きかった。

そして、福田は小学1年の頃から地元・和歌山県岩出市の少年野球チームに所属していた、“野球少女”でもあった。その時の監督からのすすめもあって、9歳からクラブを握り、プロへの扉を開いたが、その監督との感動的なエピソードも話してくれた。

「大好きだった監督でしたが、今年の夏に亡くなられた。亡くなる前には『あの子は絶対プロになる』と言ってくださっていた。ゴルフを始めたきっかけもその監督ですし、その言葉で(プロテストを)頑張ろうと思いました。プロテスト合格で監督に恩返しできたのかなと思います」。亡き監督への思いを胸にプロテストへ挑んでいたことを明かしてくれた。

現役高校生は、学業でも大忙し。「今ちょうど期末です」とテスト勉強へも本腰を入れる時期。「絶対に留年はしません」と笑い飛ばすほど明るいキャラクター。18歳が同期“NO.1”を目指し残り2日間を戦い抜く。(文・齊藤啓介)

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