川崎春花が実践!? 新宿発祥の「切り返しがない」“インフィニティ理論”とは

東京都新宿区の雑居ビルにあるインドアゴルフスタジオで、30年前からレッスンを行っている“キャロ先生”こと長井薫氏。そのスイング理論や指導方法は独特で、自らが作成した様々な練習器具を使い、ほとんどボールは打たせない。14日(木)発売のゴルフ雑誌ALBA904号では、全国から実績のあるプロゴルファーやプロコーチたちが話を聞きにくる長井氏の『インフィニティ理論』を特集している。

私がレッスンを始めたとき、「スエーしていますよ」とか「ワキが開いていますよ」とか、良くない所を見つけてダメ出しばかりしていました。だけど結局、それでは直らなかった。何でかなと考えたら、スイングには流れがあるんです。バックスイングが歪んでいるから、ボールを迎えに行かないと当たらない。インパクトで合わせる手打ちになる。

ジャック・ニクラスのスイングを見て、鳥が飛んでいる動きだと思ったんです。ワキを閉めたまま羽ばたいている鳥は一羽もいない。うねりながら動き続けている。これだと思いました。
切り返しには『切る』という文字が入っていますよね。私が提唱している『インフィニティ理論』には、切り返しがないんです。面白いでしょ? 車で例えると、通常のゴルフスイングは、バックスイングでは後退、切り返しでギアをニートラル→ドライブと入れ替えて、ボールに向かって前進するわけです。

それが私の理論では、バックスイングからドライブに入れて前進。そしてターンしてダウンスイングに入る。動きを切らさずに反対向きに変えます。右カーブと左カーブがあって、テークバックが左回り(時計回り)で、フォローで右に回ると、「8」を横にした記号「∞」(インフィニティ)を描く。これをだんだん狭くしていくと、スイングの軌道になります。これは背泳ぎやボートでオールを漕ぐ動きにも似ていますね。

お手本になるのは川崎春花プロです。彼女はリストワークがすごく上手な選手。トップに向かって手元の位置を高く上げ、大縄を回すようにUターンして下ろしていく。緩みがないから効率的にクラブを加速できるわけです。

クラブは棒状で硬いから、上手く引っ張れているように勘違いしてしまう。しかし、軟らかいホースを振ってみると緩んだのはすぐ分かります。その歪んだ状態からでは、上手く引くことはできないはず。
ハンドファーストというと、インパクトの瞬間をイメージされると思いますが、大縄を回すときには、常に引っ張り続けて、ハンドファーストの状態をキープしています。タテとヨコに引っ張る動きを連続して行っているのです。川崎プロもタテに引っ張り下ろしてきたものを、スムーズにヨコに変換してインパクトを迎える。

また、川崎プロは以前「右手のヒラに乗せた仮想ボールを落とさないイメージで振る」と言っています。インパクト前後でフェースを開閉すると右手のボールが落ちてしまう。8の字軌道にもフェースを開いて閉じる動きはありません。むしろ、閉じながら上げて開きながら下ろす。右にハンドルを切って左に切りながら打つよりも、左にハンドルを切って少しずつ緩めた方が真っすぐ飛ばすのは簡単なんです。

■長井薫
ながい・かおる/1960年生まれ、兵庫県出身。20代で脱サラし、レッスン活動を開始。95年に『新宿インドアGOLF』を立ち上げて現在に至る。多種多様な手作りの練習器具で指導を行うのが特徴。ペンネームの『Long Caroll』(ロングキャロル→ナガイカオル)から“キャロ先生”と呼ばれている。
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