『マムシ注意!』の看板の本当の意味とは? コースで見かけたらボール探しはさっさと切り上げるのが吉!

「福岡県北九州市で見つかった頭が2つある蛇の死骸は、全国に広く生息するニホンマムシであることが分かりました。保管している博物館によると生後6~7カ月の子供と見られるということです」。アナウンサーが読み上げたニュースに思わず画面を見ました。
画面には、20センチぐらいの小さな蛇が映っていて、アップになると本当に頭が2つ映っていました。数年ぶりに、全身に鳥肌が立ちました。二頭の蛇が気持ち悪かったのではなく、茶色く渦巻くような体の模様が原因でした。「マムシだ」と思わず、独り言が出て昔の記憶がよみがえりました。

バブル期のある年の春。北関東の仮オープン中のゴルフコースで、僕はキャディ研修に参加していました。格安でプレーをさせてもらう代わりに、研修中のキャディたちを鍛えるボランティアでしたが、選ばれたゴルファーしかお願いされないので、喜んで参加しました。

ある日プレーしていたときの話です。同伴者のボールを深いラフの斜面で探していたときに、何かが動いたので、持っていたクラブでさり気なくその辺りを払ってみました。すると、60センチぐらいの蛇がいたのです。クラブで押さえようと距離を詰めようとしたら、後ろからキャディに大声で注意されました。

「マムシです。下がってください」

その瞬間、その気味の悪い模様が急に毒々しく感じて、逃げました。最近は、マムシに噛まれた話は見聞きしなくなりましたが、あの頃はドラマなどでもマムシに噛まれた人の傷口から毒を吸い出すシーンなどが頻繁にあって、“マムシ=毒が強烈”というイメージが強かったのです。

プレー終了後、コースのスタッフにマムシを目撃した場所などを伝えて、「注意喚起の看板を設置しないと危ない」とアドバイスをしたら、笑われました。

「あの手の看板は、毒蛇注意ではなくて、別の意味があるんですよ」

キャディの腕前の一つが、ボールを見つけてくる能力だという考え方は、現在でもあります。当時はキャディ付きのゴルフが当たり前だったので、今よりもそういう風潮は強かったのです。OBでとんでもない谷底や深い森に入ったボールを見事に見つけて、拾ってきてくれるキャディが神様に見えた、という話があるあるだったのです。ボールがもったいないからと、そういう危険な場所に自ら入っていって、ボールを探すプレーヤーもいました。

結果として、時間がかかりスロープレーになったり、斜面から滑落する事故があったりするので、危険な場所ではボール探しができないように『マムシ注意』の看板を設置して、諦めてもらうというのが看板の意味だと教えられました。大いに納得し、その後は看板を見ると「ボール探しでマムシに噛まれたら馬鹿を見るよ」と、看板を無視しようとする人に注意しています。

コース関係者の話では、昔に比べるとマムシは減っているそうです。しかし医療関係者に確認をすると、キャンプブームの影響で噛まれて緊急搬送される数は増えているということでした。

平成初期ぐらいまでは、しぶとくて強いゴルフをするゴルファーを“マムシ”と呼びました。最近では、称号としての“マムシ”は使われませんが、仲間内の悪口の隠語として使っています。(文・篠原嗣典)

篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験しゴルフと恋愛のために生きると決意。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」

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