
<ANAオープン 事前情報◇11日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7066ヤード・パー72>
先週行われた日本、韓国、アジアンツアーの共催大会「Shinhan Donghae Open」で3位の好成績を収めた鈴木晃祐。2日目には『64』を叩き出して単独首位に浮上するなど、存在感を見せつけた。好調の要因はどこにあるのか。練習日に話を聞いてみた。
東北福祉大出身の24歳・鈴木は2022年にプロ転向。2023年のレギュラーツアー「関西オープン」ではデビュー戦ながら3位に入ると、翌週行われた下部のABEMAツアー「i Golf Shaper Challenge in 筑紫ヶ丘」で初優勝を挙げた。次戦の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP CHALLENGE in FUKUI」でも勝利を収め、勢いをつけて乗り込んだ夏場のレギュラーツアーでは4戦連続のトップ10入りを果たし、シード権を獲得した。
韓国戦では「フェアウェイからセカンドを打てたことが一番大きかったです」と振り返る。4日間のフェアウェイキープ率は87.5%で全体1位をマークするほど、ティショットが安定していた。その要因は「先々週のフジサンケイクラシックからポジションを変えて、まっすぐ行くようになった」とドライバーの“カチャカチャ”で調整を施したからだと話す。
ドライバーのヘッドはタイトリストの『GT2』を使用しており、スリーブのポジションは「B・1」。ロフト角はそのままでライ角を0.75°フラットにしており、つかまりを抑えた仕様となっている。「(ポジションを)フェード系にしたことで、不安要素が無くなった。今までは『どっちに行くんだろう』という感じで打っていたので、気持ちの面でだいぶ楽になりました」。この“カチャカチャ”効果でフェアウェイを次々ととらえた。
初日は『67』、2日目に『64』とスコアを伸ばし、3日目以降は最終組でのラウンド。「3日目、4日目とセカンド以降が良くなかった。最終組ということで、変なミスが多かったり、気持ちの面でダメだったのかな」とラウンドを重ねるごとに優勝へのプレッシャーが大きくなった。最終日も『70』と伸ばしたもの、同級生の平田憲聖に優勝を奪われる結果となった。それでも最終組で優勝争いをできたことは鈴木にとってプラス要素。「ドライバーの調子も良くなって、こういう成績が出たので自信になった。最終組で回れたこともいい経験になった。今週以降もその気持ちのまま頑張っていこうと思います」と充実感に満ちた表情を見せた。
今大会には「先週はアイアンがダメだったので、そこをしっかり直していけば優勝争いができると感じている」と意気込んだ。2000年生まれには中島啓太、大学の同期である蝉川泰果、そして平田らがいる。「いい刺激を受けていますし、まだまだ実力が足りないと感じている」。一足先に海外ツアー、レギュラーツアーなどで勝利を収めた同級生に追いつくためにも、いい流れで迎えた輪厚でさらなる好結果を残したい。(文・齊藤啓介)