『59』で記録ずくめの初優勝 22歳・下家秀琉ってどんな選手?

<ANAオープン 事前情報◇10日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7066ヤード・パー72>

先週行われた国内男子下部のABEMAツアー「PGM Challenge」で最終日に『59』をマーク。劇的な初優勝を挙げた下家秀琉(しもけ・すぐる)が「ANAオープン」に出場するということで、練習日に直撃した。初日、2日目も60台をマークし、ビッグスコアを出し続けた3日間を振り返る。
下家は大阪府出身の22歳で、大阪学院大4年時にプロ宣言。今季から下部ツアーに参戦し、9戦目にして初勝利を収めた。トータル24アンダーで下部ツアーの54ホール最少ストロークと最多アンダーパー記録を更新。まさに記録ずくめの勝利だった。

「フェアウェイに行ったら、ほぼウェッジで打てていた。あとは寄るか寄らないかという感じの中で、パターが入ってくれた」と好スコアの要因にパターを挙げた。「グリーン上は打っても(ピンに)届かなくて…」と重いグリーン対策のため、慣れ親しんだスコッティキャメロンのピン型からオデッセイの『2ボールブレード』に変えたことが奏功。これが“下家劇場”開演に一役買った。

ただ、ここまでは決してゴルフの状態が良かったというわけではなかった。先々週の「ダンロップフェニックストーナメントチャレンジinふくしま」では予選落ちを喫し、「あの時はひどかった」と話すほど。苦肉の策でアイアンをタイトリストの『T150』から、以前使用していたという同社の2019年モデルの『T100』に戻したことで「距離感が合ってきた」と、アイアンの変更も好スコアの手助けとなった。

こうした経緯もあり、1イーグル・9バーディというビッグスコアに繋がったのだが、前半は「チャンスに付いても入れられなくて、きょうはダメかも」と思ったという。前半の7番ではイーグルを奪取したが、「ティショットは右のバンカーに入れて、そこから210ヤードくらいを5番アイアンで打ったら、“どトップ”してしまって、それが花道に転がってピンに付いた」とラッキー要素もあった。そんな中、後半に入ると10番の「イメージが良かった」というバーディを決めると、ここから怒とうの5連続を奪い、一気に勝利を手繰り寄せた。

こうして試合を振り返る下家だが、話してみるとどこか“ほんわか”した雰囲気を感じる。大学の同期はシード選手の宇喜多飛翔、同学年にはすでにレギュラーツアーで勝利を収めている杉浦悠太らがいる。この勝利で少しでも背中に近づけたのでは…と思うが「追いつけるようにしたいですね。追い越せないと思いますが(笑)。モノが違うんで…」と謙遜気味に話す。

今季レギュラーツアーはこれで4試合目。6月に行われた「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」の2日目には6連続バーディを含む『62』をマークするなど、“ほんわか”ながら爆発力も兼ね備えている。第50回の節目を迎える今大会で、記録ずくめの初勝利を引っさげてきた下家のプレーにも注目だ。(文・齊藤啓介)

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