
<ソニー 日本女子プロゴルフ選手権 事前情報◇3日◇かねひで喜瀬カントリークラブ(沖縄県)◇6670ヤード・パー72>
先週の「ゴルフ5レディス」で今季5勝目を挙げた竹田麗央は、沖縄でメジャー初優勝を挙げ、さらに女王争いを優位に進めたい。そのためにも勝利の余韻に浸る間もなく日曜日には現地に入り、しっかりと調整を進めている。
「体調は万全です」。台風10号の影響で順延などもあり短縮競技になった先週の疲れは残っていない。現在メルセデス・ランキングは2174.51ptで1位に君臨。1867.90ptで2位につける山下美夢有とは306.61pt差と、まだまだそのレースの行方は分からない状況だ。
国内メジャーで得られるポイントは通常の3日間大会に比べると2倍。優勝ならば400ptと大きい。ただ、「メジャー大会でポイントも高いし、これから試合もあるので大事だけど、あまり気負わずいつも通り平常心で」と、自然体で挑むことを強調する。
沖縄特有の芝は警戒ポイントになる。ラフは混合芝で、場所によっては長さや粘り気なども異なる。「距離はそんなにないけどラフは芝が強くて、(クラブが)抜けにくい。そこに気をつけたい」。さらにパスパラム芝が貼られるグリーンも「ところどころ目も芝も入り組んでいる」とクセを感じさせる。それでもフェアウェイは、気持ちよくスイングできる広さ。「ドライバーで打って、短い番手で(グリーンを)狙いたい」とチャンスへのイメージを湧かせている。
今大会の直近2年間の優勝者は、同じ2003年生まれの川崎春花と神谷そら。一方の竹田は2022年が予選落ち、昨年は20位とまだ優勝争いには絡んでいない。「その時は自分が優勝争いできるとも思ってなかった。そこで同級生が勝つのはすごいなと思っていました。自分も頑張りたい」。そんな刺激も胸に、飛躍した今季の成長ぶりを見せるのにうってつけの大会でもある。
将来的に海外での活躍を目指すうえで、メジャー優勝で得られる3年シードも魅力だ。「日本に帰った時にシードがあると挑戦しやすいですね」と、その背中をグッと押す権利にもなる。
今回は米ツアー通算2勝の20歳、シャネッティ・ワナセンと、同じく2勝を誇るジャスミン・スワンナプーラのタイ勢2人や、「パリ五輪」で4位のビアンカ・パグダンカナン(フィリピン)という米国ツアーを主戦場にする選手も出場。現在の日本ツアーの“顔役”は、これについても「上手な選手ばかり。でも負けたくないというよりも自分は自分のプレーに集中できれば」と話し、決して力みを見せることはない。
今季261.97ヤードで4位につける飛距離はここでも武器になる。「生かしてアドバンテージを取れたら」と、その強みを発揮したうえで4日間を戦うつもりだ。沖縄では仲がいい小祝さくらと、海で遊ぶなど息抜きをすることもできた。「メジャー大会なのですごく頑張りたい。でもプレー中はなるべく平常心で」。最後までブレない姿勢を貫き、ビッグタイトルに近づいていく。(文・間宮輝憲)