
26日にパリ五輪が開幕した。史上初めてスタジアム外で行われた開会式ではエッフェル塔が夜空に輝いた。スポーツの祭典の熱気が高まる中、ゴルフ競技は男子が8月1日、女子が7日からいずれも4日間の日程で行われる。そこで、2016年のリオデジャネイロ大会から復活した五輪のゴルフ史を紐解いていく。
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パリでの五輪開催は1900年、24年に続く3度目。そして初めてゴルフ競技が行われたのは、1900年パリ五輪の時だった。当時、万国博覧会の一環としてパリで開催され、大会は5カ月間にわたって行われた。その頃、日本は日清戦争と日露戦争の間で、まさに激動の時代に五輪のゴルフ史がスタートした。
男子の優勝はチャールズ・サンズ(米国)が「82」・「85」の167ストロークで金メダルを獲得。そして、パリ大会で女子が出場できる種目として開催されたのがテニスとゴルフのみだった。9ホールのストロークプレーとして行われ、「47」のスコアでマーガレット・アボット(米国)が優勝している。
1904年のセントルイス大会は世界博覧会とともにに開催。ゴルフ競技はグレンエコーGCが舞台となった。団体戦(36ホール)と個人戦(36ホールのストロークプレー+上位32名によるマッチプレー)が行われたが、団体戦は当初は1チーム10名の6チームがエントリーしていたが、現れたのは2チームのみ。急きょ、現地に集まっていた10名を集めて3チームによる団体戦を行ったという。団体戦は米国がメダルを独占し、個人戦の金メダルはジョージ・リオン(カナダ)が獲得した。
以降、五輪からゴルフ競技は外れ、112年後のリオまで行われることはなかった。そのリオ五輪では男子はジャスティン・ローズ(イングランド)、女子はパク・インビ(韓国)がそれぞれ金メダルを獲得した。次の東京五輪では男子がザンダー・シャウフェレ(米国)、女子はネリー・コルダ(米国)がそれぞれ優勝を飾った。また、稲見萌寧が銀メダルで、日本勢初となるゴルフ競技のメダル獲得となったのも記憶に新しい。
今年のパリ五輪はサン・カンタン・アン・イブリーヌに位置する(オリンピック村から約41キロ)ル・ゴルフ・ナショナルのアルバトロスコースが舞台。18年にはライダーカップが行われた地で、昨年のDPワールド(欧州)ツアーのフランスオープンで久常涼が優勝した地でもある。通常のツアー大会では“勝者は一人”のゴルフだが、上位3名が表彰されるのはオリンピックならではの光景。今年は松山英樹、中島啓太、笹生優花、山下美夢有が日の丸を背負って戦う。