
ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。今日は、アムンディ・エビアン選手権でメジャー初優勝を飾った古江彩佳さんのお話をしたいと思います。
おめでとうございます。いやー、ホントに良かったですね。じっくりと見ました。優勝を決めた18番のイーグルパットはスネークライン。あれを入れて、文字通り、自分の手で優勝をつかみ取った感じでしたね。最後の大事な場面で、気持ちの強さが出たのでしょう。
一度は首位に3打のビハインドとなりながら、最後まであきらめずにプレーして、14番から3連続バーディ。最後はイーグルで締めて、見事にメジャータイトルを手にしたのはご存じのとおりです。
元々、サクッと打つリズムが素晴らしい選手ですが、メジャーでの優勝争いという重圧がかかる場面でも、自分のリズムを変えずにプレーを続けたのはさすがでした。
シーズンの最初に目標に掲げていたオリンピック日本代表の座は、最後の最後に山下美夢有さんに逆転されてしまいました。米ツアーで何度も優勝争いをしながら勝ち切れていなかった自分自身に対しての悔しい思いは計り知れません。そこから気持ちを切り替えてのメジャー優勝。「パリ(オリンピック)には行くこともできなかったけど、フランスのメジャーで勝てたから気持ちを晴らせたかな」と優勝後、インタビューで話していました。それが本音なのでしょう。
途中、あきらめそうになった時には“May the force be with you.(フォースと共にあれ)”という大好きなスターウォーズに出てくる言葉を心の中で言い聞かせて切り替えたとも言っていました。
ゴルフは、感情の波ができるだけ少ないのが理想だと私は考えています。波が大きいと、それに振り回されたり、疲れたりするので、それがないように私も頑張っていました。これは私独自のものかもしれませんが、怒りの感情は右手に出ると思っています。悪いショットが出たり、ボギーを叩いた時にイライラしたりすると、次のショット、パットでどうしても右手に力が入ってしまう。これは決していい結果を生みません。だからこそ、気持ちをできるだけフラットに保つように努めていました。でも、実際にはとても難しいことです。
古江さんは、メジャーの優勝がかかった場面でも、淡々とポーカーフェイスでプレーするいつものスタイルをしっかりと貫いているように見えました。ショートゲームのうまさはもちろんですが、どんな場面でも気持ちに左右されずにプレーできることこそ、彼女の強さなのでしょう。
それにしても、私と同じ身長153センチの日本の選手が、米ツアーで、そしてメジャーで優勝する日が来たのは、本当にうれしいことです。これは、大きな飛躍への足掛かりに過ぎないでしょう。粛々と自分のやるべきことをしていくタイプの古江さんは、もっともっと強くなるはずです。本当におめでとう! これからも楽しみに活躍を見ていようと思います。