たくさん打って距離“勘”を磨くのはもう古い! 球を見ないで打てばアプローチは簡単に寄せられる

ピンに近くなるほど繊細なアプローチが求められるが、正確性に関わる“距離感”がイマイチつかめない。距離“勘”といわれるだけあって、たくさん球を打って勘を磨くしかないのだろう。しかし、かつて世界一にも輝いた宮里藍の父でありコーチの優氏は、「球を見なければ距離感は簡単に手に入れられます」という。球を見ないでどうやって距離感を出すの?
「パターを例に話しましょう。これは実際に試してみて欲しいのですが、15メートルはあるロングパットを打つとき、視線はどこを向いていますか? おそらくほとんどのゴルファーは球を見て打っていることでしょう。では、その視線を目標(カップ)に向けたまま、打ってみてください。球を見て打ったときよりカップに寄っていませんか?」

球を見て打ったときは3メートル以上ショートしたのに、カップを見て打ったときはそれより球が寄った……一体なぜ⁉

「例えば、ゴミ箱にゴミを投げ入れる際、当然ゴミ箱を見ながら投げますよね? 手元のゴミを見て投げる人はまずいません。しかし、ゴルフは足元の球を見ながら目標を狙うスポーツ。そこにゴルフの難しさがあります。パットの上手いゴルファーは、アドレスに入ってから打つまで、モジモジと長い時間をかけません。カップを確認したら足元の球に視線を戻してサッと打つ。このとき、カップの残像を頼りに打つわけですが、その残像は約3秒という僅かな時間しか脳に留まらない。だから、残像が消えてしまう前に素早く打つわけです」

なるほど……せっかくカップを確認したのに、そのあとアドレスでもたついていたせいで、自ら距離感の指標を消していたのか。ということは、アプローチも同じように打てばいいってこと?

「はい。ですが、時間制限のある残像に頼るより、目標を直に見たまま打つほうが視覚と体の動きをシンクロさせやすいため、距離感は出しやすい。距離感を出したいなら、目標を見たままアプローチを打ってみると、狙いどおりにピンに寄せられるでしょう」

球を見ないで打つと上手く当たらないんじゃないかと心配だったが、視界の端でクラブの動きを捉えられるし、イメージする距離に合わせてゆったりスムーズに振れるからちゃんと寄せられる。

球をひたすら打たなくても簡単に距離“勘”を養える練習法。球が寄らなくて悩んでいる人は試してみて欲しい。

◾️宮里 優
29歳でゴルフをはじめ、独学でゴルフ理論を構築。36歳の時に男子プロトーナメントの大京オープンにアマチュアとして出場。その後、ティーチングプロの道を歩む。子供たちと一緒に楽しみたいとやらせたゴルフだが、結果的に聖志・優作・藍の3人共プロゴルファーの道を選んだ。

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