
<全米女子オープン 2日目◇31日◇ランカスターCC(ペンシルベニア州)◇6583ヤード・パー70>
ペブルビーチで行われ、初の全米出場だった昨年大会は予選落ち。日本の女王・山下美夢有は、トータル3オーバー・16位タイで決勝に進みリベンジに成功した。「去年は悔しい思いをしたので、予選通過はしたいと思っていた。そこはクリアできた」と、まずは一安心だ。
「風があるのは分かっていたので、とりあえずイーブンパーを目指してやっていた。パー5でもったいないボギー、ダボを打って悔いが残っている」。2打目を池に落とした7番のダブルボギー、ティショットを右に曲げパーオンできなかった13番のボギーと、2つしかないパー5でともにスコアをロスしたことについて、こう振り返る。
だが、グリーン上で輝きを見せている。スコアへのパッティングの貢献度を表すストローク・ゲインド・パッティングは2日目に『+2.51』を記録。選手全体の平均よりも、パットが2.5打少ないことを意味し、これは全体15位という好数値だ。細かい傾斜も多いグリーンには、多くの選手が苦労しているが、山下はそこをスコア源にしていることが分かる。
そして、この好調ぶりを支えるのが、ニューパターの存在だ。先週出場した国内ツアー「リゾートトラスト レディス」の最終日から、テーラーメイドのピン型『TP コレクション ブラック デルモンテ クランクネック』を使用し、そのままメジャー大会に持ち込んできた。ソール全面を鉛で覆って、自分好みに調整した。「良かったので、もう替える必要はないかなと思って今も使っています」という一本を、難グリーン攻略に役立てている。
これで、17位で終えた4月の「シェブロン選手権」に続き、メジャーで決勝に進出。「(パターの)距離感は悪くない。打ちたいと思っても打てないピン位置に切ってあって、そのあたりが難しいけど、残り2日間戦えるので思い切って頑張りたい」。決勝はさらにアグレッシブにカップを狙っていくつもりだ。(文・間宮輝憲)