「ひとつの大きな目標…いつか勝ちたい」 畑岡奈紗は“特別な”全米女子OP制覇へ全集中

<全米女子オープン 事前情報◇28日◇ランカスターCC(ペンシルベニア州)◇ 6583ヤード・パー70>

米カリフォルニア州にあるペブルビーチGLで行われた昨年大会は、単独首位で迎えた最終日に「76」と苦しみ、逆転負け。悔しさを残す4位タイから一年が経ち、畑岡奈紗は「新しいコースなので、フレッシュな気持ちでいければ」とその過去を断ち切る。開幕2日前までに1.5ラウンドを消化するなど、調整も順調といった様子がうかがえる。
傾斜が強いグリーンには手を焼きそうな印象も受ける。「横につけると意外に止まらずに、そのまま“スーッ”と行ってしまったりもする。すごく難しいですね」。それに加えアップダウンも厳しいコースで、激しく打ち上げる、または打ち下ろすようなホールも点在。グリーンを狙うショットの距離感合わせも繊細さが求められる。練習日には強い風も吹いており、やはり一筋縄ではいかない。

オープンウィークだった先週は、このメジャーに照準を合わせクラブのテストも行った。パー70ながら6583ヤードを誇るコース用に、これまで投入してこなかったクラブを持ち込んでいる。「一番のキーになると思っている16番が1オン狙いになると、高さも出てくれる5番ウッドがちょうどいい」。あとはその日の風やコンディションなども考慮したうえで、5番ウッドかユーティリティかの選択をするつもりだ。

過去に6度出場してきたこの全米女子オープンは、「アメリカを目指し始めたときからひとつの大きな目標。いつか勝ちたいなっていう気持ちは強いです」という特別な大会でもある。昨年のみならず、笹生優花とのプレーオフのすえ2位に終わった21年と、これまで“あと一歩”まで迫ったこともある。

毎年コースが変わるなか、予選落ちは19年の一度だけ。あとは「いつも少し練習をしすぎてしまうところがある。ポイントを絞って、特にアップダウンがきついコースだと、最後は体力勝負にもなってくると思う」と、はやる気持ちを抑えながら本番を待つ。

予選ラウンドは世界ランク1位のネリー・コルダ(米国)が同組のひとり。出場5連勝を含む今季6勝と、圧倒的な強さを発揮しているライバルとのラウンドは、大きな注目を集めることになる。ただ畑岡は、「いつもネリーと回るときはスコアがいいので楽しみです。ときどき会話もしながら楽しく回れます」とこれを歓迎。大ギャラリーの歓声を味方につけるつもりだ。

ここは6月24日に迫ったパリ五輪日本代表争いにも大きく影響を与える大会にもなるが、「あまり考えていない。この試合に向けてずっと準備してきたので、まずはしっかりといい成績を残せるように頑張りたい」。あくまで悲願成就に集中する。(文・間宮輝憲)

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